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【高橋洋一 日本の解き方】コロナ禍で浮かぶ保健所問題 露呈した複雑すぎる設置系統…IT時代にふさわしい施設を (1/2ページ)

 新型コロナウイルスへの対応をめぐり、保健所の態勢強化が必要だといわれている。

 コロナ問題でしばしば指摘されるのが、保健所の劣化である。十分なPCR検査ができないのも、保健所の数が足りないからだという指摘もあった。

 まず、データを確認しておこう。1992年からの推移を見ると、92年の852カ所から96年の845カ所までほぼ横ばいだったが、97年に706カ所と大きく減少した。その後もほぼ一貫して減り、2020年には469カ所となっている。ほぼ30年間で4割以上という大きな削減だ。

 保健所は設置者が5系統もあり、複雑だ。5系統というのは、設置者が都道府県のものが75%、一定規模の市のものが25%だ。一定規模の市というのは、(1)政令指定都市(2)中核市(3)政令で定める市(4)特別区だ。

 もともと、保健所は1937年の保健所法の制定により、国の機関として全国に49カ所設立され、戦後は国から地方自治体へ移管された経緯がある。

 97年に大きく減少したのは、94年に保健所法が改正されて地域保険法と改称、都道府県保健所の統廃合が行われたためだ。この背景にあったのは行革だ。

 そのため、当時の行革が、今のコロナ危機での保健所が機能しない要因であったともよくいわれる。ただし、行革を担当した経験のある人なら知っていることだが、組織の統廃合という場合、見かけの数を減らすが、実際の職員数はあまり減らないことが多い。

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