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【高橋洋一 日本の解き方】李登輝元総統の大きな功績 称賛が中国政府を刺激しても日本は台湾と価値観共有を (2/2ページ)

 一方、李氏は、台湾と中国は国と国の関係にあるとの「二国論」であった。その李氏をたたえることは、台湾は中国の一部でなく、中国のような全体主義ではない民主主義国であるというわけなので、中国を二重に刺激する。

 日米ともに、建前としては中国だけと国交を結んでいるが、実際には台湾も国家に準じた扱いをしている。特に、日本政府は、経済面での実務取引を進めており、台湾が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加に前向きな姿勢を示していることについて歓迎している。

 本コラムで繰り返し指摘してきたが、中国が共産主義体制である以上、TPPの資本取引自由や国有企業条項などがネックになって参加できない。

 TPPに台湾が参加するのは、民主主義の価値観共有を軸として、反中国の包囲網形成には好都合だ。日本としては、欧州連合(EU)を離脱した英国もTPPに取り込むのが国益になる。今のところ、米国は自国事情でTPPに参加していないが、民主主義の価値観共有であれば、将来的に米国の参加を拒むこともない。

 最近コロナ問題において、中国は世界保健機関(WHO)へ台湾の参加を反対しているが、日本は台湾の立場を支持している。WHOでは米国が正式に脱退したが、日本としてはWHO内での改革に台湾カードを使えるし、場合によっては脱退とのカードもある。

 香港国家安全法で中国の暴挙に世界はあきれている。今こそ日本は民主主義の価値観共有として、台湾の支持を表明してもいいのではないか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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