だが、世界全体で73万人以上、米国内で16万人以上もの死者を出した新型コロナの発生国であり、「自由・民主」「人権」「法の支配」を軽視する中国に対し、トランプ政権が放つ矢には加速度がついている。
米政府は7日、「香港の自治侵害」などを理由に、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を含む11人への制裁を発表した。習一派の党幹部もそのなかに含まれている。
「米中メディア戦争」も熾烈(しれつ)化している。
米国土安全保障局は5月8日、在米の中国特派員のビザ滞在を90日間に制限することを発表した。8月6日は初の有効期限だったが、環球時報が「約40人が、ビザの延長申請の結果を知らされていない」「いつでも即刻、出国をしなくてはならない可能性がある」と報じた。
米国務省は6月、中国官製メディアはニュースメディアではなく、諜報活動と世論戦、情報戦を仕掛ける「中国共産党の道具」と危険視し、CCTVや、中国環球TVネット(CGTN)、環球時報、人民日報などの中国官製メディアを「外国使節団」に指定した。
「中国からの特派員の多くは、国家安全部や人民解放軍の情報工作部門にも所属するなど『二重の身分』を持っている」との話も漏れ伝わる。
この処置について、デービッド・スティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は「自己防衛の措置」と述べている。
11月3日の米大統領選まで3カ月を切ったなか、中国共産党が官製メディアを通じて「トランプ再選阻止」に動くことを阻止するための処置ということか。
これは「米国の報復」とも言える。