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【有本香の以読制毒】菅新首相への注文 「安倍路線」の継承はアピールされているが…「鋼のメンタル」生かした外交安保ビジョン聞きたい (2/3ページ)

 だが、3つ目の質問が始まって、脱力した。

 「安倍政権時代は、官邸主導の政策推進の一方で、国民や国会への説明不足、異論の排除、忖度(そんたく)といった体質が指摘され続けてきました…」

 ここまで聞いて、まさか、と思ったら案の定だった。

 「安倍政権下で明るみに出た、森友・加計問題、桜を見る会、河井克行・案里被告をめぐる選挙違反事件などについて追加的な検証を行わないという考えを…」

 やれやれ。まだ、モリカケ桜か。この国難の時に、記者たちの頭の中は一体どんなお花畑なのだ。

 彼らの周囲には、コロナ禍で失業・廃業を余儀なくされた人は皆無なのか。米中対立や中国の暴挙、不穏な朝鮮半島情勢に関心はないのか。唯一、「拉致問題を具体的にどうするのか」と迫ったのはマスメディアではなく、ニコニコ動画の記者だった。

 菅首相は、前政権時からの、こうした「メディアとの不毛なやり取り」をも引き継がねばならないのだ。私から見ると、これが最もお気の毒なことと思える。

 救いは、このくだらない質問を聞いている間も、菅首相がいつものポーカーフェースのまま書類に眼を落とし続け、質問が終わるや否や、安定の「さばき」を見せたことである。僭越(せんえつ)ながら、菅首相の心の強さは出色だ。今後も「鋼のメンタル」で貫き通していただきたい。

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