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【有本香の以読制毒】菅新首相への注文 「安倍路線」の継承はアピールされているが…「鋼のメンタル」生かした外交安保ビジョン聞きたい (3/3ページ)

 ただ、自民党総裁選から就任会見までを見てきて、ずっと物足りなく感じていたのは、菅首相が「世界の中の日本」をどう捉えているのかが見えないことだ。就任会見では外交について、短く次のように語った。

 「日米関係を基軸とする一方、中国、ロシアといった近隣諸国とも安定した関係をつくっていく」

 就任早々、辛辣(しんらつ)な言葉を浴びせて申し訳ないが、これではほとんど何も言っていないに等しい。いまの日本の近隣情勢をどう見ているのか。近隣の独裁国家群といかに対峙(たいじ)し、日本をどう守り、世界にいかなる価値観を発信していくのか。

 茂木敏充外相の再任、外交・安全保障に明るく、安倍晋三前首相の実弟でもある岸信夫氏を防衛相に起用したことで、「安倍路線」の継承はアピールされているが、やはり新首相の「外交安保」のビジョンを菅氏らしい言葉で聞きたい。

 そして、少々不慣れであろうとも、今後出席するサミットなどの場では、どうか遠慮など微塵もなさらず、各国首脳の「センター」に堂々と陣取っていただきたい。言葉の壁も大した問題ではない。洋行した幕末武士のごとく振る舞って、超然たる存在感を示していただきたいものである。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

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