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観光列車は“ミッドレンジ価格帯”の時代に? 新登場「WEST EXPRESS 銀河」「36ぷらす3」の戦略 (4/5ページ)

 現在の観光列車の価格帯は、5000円前後から1万円前後の列車が最も多い。例えば、JR四国で人気の観光列車「伊予灘ものがたり」は最長区間の松山~八幡浜間を乗車するだけなら2300円で、内訳は運賃1300円、グリーン料金1000円だ。この区間の客単価をほぼ倍にするというだけでも観光列車の付加価値効果である。ここに2600円~5000円の予約食事メニューを追加して「伊予灘ものがたり」のフルセットとなる。

 これより高額になると「プチぜいたくな観光列車」というカテゴリーになる。えちごトキめき鉄道の「雪月花」は1万7500円。JR九州の「或る列車」が2万6000円~3万8000円、東急の「THE ROYAL EXPRESS(ザ ロイヤル エクスプレス)」が2万6000円~3万8000円だ。

 その次は価格帯が飛躍する。トップクラスで、JR九州「ななつ星in九州」、JR西日本「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」、JR東日本「TRAIN SUITE 四季島」という、最低でも30万円台、最高で100万円台級の御三家が控えている。これはもはや観光列車というより「クルーズトレイン」という別格のカテゴリーとして扱うべきかもしれない。

 ちなみに「THE ROYAL EXPRESS」は宿泊を組み合わせた企画商品だと15万円前後から25万円前後となる。20年8月と9月にJR北海道で「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」として運行しており、67万円から85万5000円だ。21年も運行予定とのこと。クルーズトレイン御三家と同格だ。

 価格帯で観光列車を俯瞰して、1万円以下の観光列車群をローエンド、1万~5万円をミッドレンジ、5万円以上をハイエンドとすれば、現在のボリュームゾーンはローエンドで、ミッドレンジとハイエンドの品ぞろえは極端に少ない。これは観光列車市場を反映した結果か、あるいは観光列車市場が未熟か、どちらだろうか。

 ◆「ミッドレンジ」時代が来るか

 「WEST EXPRESS 銀河」と「36ぷらす3」は、観光列車では手薄のミッドレンジ価格帯に投入された。これは新たな観光列車の潮流になるかもしれない。

 「WEST EXPRESS 銀河」は現在、旅行会社の企画旅行として販売されている。近畿起点と山陰起点の往復コースがあり、「WEST EXPRESS 銀河」の片道利用、往復利用、現地宿泊の有無などを選択できる。「WEST EXPRESS 銀河」と新幹線+在来線特急「やくも」を組み合わせたプランは、目的地のホテル1泊を組み合わせて2万6000円~2万8000円。往復とも「WEST EXPRESS 銀河」を使うプランは現地1泊タイプで3万2700円~5万5100円、現地泊なしタイプは近畿発着のみ2万8900円~3万2700円だ。

ITmedia ビジネスオンライン

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