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【菊池雅之 最新国防ファイル】「ひうち」型多用途支援艦 救援物資輸送、放水銃、宿泊船…マルチに下支え (1/2ページ)

 海上自衛隊の艦艇が行う訓練を支援し、船舶火災などの消火、救難救助、曳航(えいこう)、輸送、災害派遣まで幅広く活躍できるのが「ひうち」型多用途支援艦だ。

 2002年3月27日に1番艦「ひうち」が就役し、以降、「すおう」「あまくさ」「げんかい」「えんしゅう」と、08年までの間に、5隻が就役している。いずれも「灘」にちなんだ名称がつけられている。

 海自は、日本列島を5つに区切り、北から大湊(青森県)、横須賀(神奈川県)、舞鶴(京都府)、呉(広島県)、佐世保(長崎県)に地方隊を置き、各管轄区の防衛警備を行っている。「ひうち」型は、各地方隊に1隻ずつ配置されている。

 基準排水量約1000トン、全長65メートルと小型の船体だが、基準排水量1万3500トン、全長221メートルもある大型補給艦「ましゅう」を単艦だけで曳航する能力を持つ。

 主砲や各種ミサイルなどを持つ護衛艦にとって、戦術技量の向上のための実弾射撃訓練は必要不可欠だ。「ひうち」型は、実弾射撃をサポートするため、水上目標となる自走式や曳航式の標的を海上に設置する任務を担っている。そのため、後部甲板は広いスペースとし、前甲板よりも低くし、標的の投入や回収を容易にしている。

 艦橋構造物上には放水銃があり、船舶火災が発生した際に使用する。特に、洋上で火災を起こした艦艇への初期消火に期待されている。ピンポイントで消火するには心もとないが、燃えている船体を冷却し、さらなる延焼を防ぐことができる。溺者救助などの際、救難員を現場海域まで運ぶ複合型高速ボートや木造小型船も搭載している。

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