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【「ポスト安倍」時代の政治とメディア】「安倍氏とトランプ氏が『分断』を生んだ」リベラル紙が突出使用 「分断」は悪いことなのか? (1/2ページ)

 安倍晋三前首相と、ドナルド・トランプ米大統領の共通点は、大手メディアとの対決姿勢を辞さないことだった。敵対したメディアの側は「支持層と不支持層との間で『分断』を生んだ」と非難し続けてきた。

 安倍政権に批判的だった日本のメディアは、トランプ支持者と民主党支持者がデモの現場で衝突するシーンを報じ、社会的分断を嘆くこともしばしばだった。

 他方、興味深い数字を紹介したい。新聞記事のデータベース検索で、過去2年間(2018~19年)、全国紙の媒体別に「分断」で検索すると、朝日新聞が1428件、毎日新聞が1060件、産経新聞が949件、読売新聞が729件。

 以前から、安倍政権批判の文脈に絡め「分断」という言葉を使っている疑念があったが、政権に是々非々だった後の2紙より、リベラル2紙の方が多いのは示唆的だ。特に朝日新聞は突出している。

 そもそも、分断は「悪い」ことなのか。

 私が編集長を務める言論サイト「アゴラ」で4年前、大方が予想しなかった「トランプ氏当選」を的中させた国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏は著書で、分断の発生を「無理に否定する必要はない」と指摘している。ネットの普及と選挙のマーケティング技術の高度化で、人々が自らのアイデンティティー確認を深めあっていけば、自ずと「分類」は進んでいくからという。

 これは私も実感している。ネット選挙が解禁された初期に候補者陣営のネット発信戦略を支援し、その後、言論サイトの編集長としてもSNS解析をしてきたが、分極は明らかに進んだ。

 しかし、考え方の近い者同士でグループに分かれるのは人間社会で当たり前だ。ネットの普及で情報量が爆発的に増えれば、人々の価値観はそれだけ多様化する。「多様性」と「分断」は表裏一体なのだ。

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