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裏社会ジャーニー(15)~キャリア自衛官~ 外からは見えにくい自衛隊という組織の内部 (2/2ページ)

 機密情報、仮想敵国、ミサイル、弾道計算、スパイ、駐在武官、ハニートラップ……。コジさんの口から出てくる言葉に彼がどのような活動をしていたのか非常に興味深い展開になったのだが(詳細は動画のほうを確認してもらいたい)、そのなかで面白かったのは、彼が派閥のトップになったというあたりだ。

 運動能力など戦う部分の能力が高ければ自衛隊の内部で昇進していくのだとどこかで思っているところがあった。だが、それはフィクションであり、内部的にはかなりの政治がおこなわれているというのだ。そして、コジさん曰く「軍人になろうなんて奴は野心が大きい」ということだった。

 この言葉を聞いたときにタイのプラユット首相が元軍のトップだったことを思い出した。

 クーデターで政権を奪取してからの国家運営の評価はともかく、軍人が政治家としてたち振る舞えた謎が解けた気がした。

 このほかにもコジさんからは面白い話を聞くことができた。情報課と呼ばれるスパイ部門にいたそうで、ヒューミットとシギントといった諜報機関的なことや、訓練中や駐屯地での心霊エピソードなども惜しげもなく披露してくれているので、ぜひとも本編を見ていただければと思う。

 最後に組織というのは一人の人間で動かせる限界がある。だからといってシステムや概要だけではわからないことを知るために個人から聞き出せる情報は多い。だからこそ、人を見ていくことでわかることも多いのだ。この先も組織を知るために人に向き合っていきたい。

【激レア取材】元キャリア自衛官に自衛隊の極秘情報を聞いてみた

 ■丸山ゴンザレス(まるやま・ごんざれす) 自称「考古学者崩れ」のジャーナリスト。海外の危険地帯から裏社会まで体当たり取材を繰り返す。『世界の危険思想 悪い奴らの頭の中』(光文社新書)『世界の混沌を歩く ダークツーリスト』(講談社)など著書多数。

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