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【高橋洋一 日本の解き方】菅首相の改革路線は小泉政権型? 本格的な規制改革で共通点も…実務問題対処型に大きな違い (1/2ページ)

 菅義偉首相は就任直後から、規制改革を全面的に打ち出している。マクロ経済では安倍晋三政権を継承する一方、省庁や既得権の改革を進める方向性について、小泉純一郎政権との共通点を指摘する向きもある。

 しばしば「規制改革」と間違えられる言葉として、「規制緩和」がある。規制緩和は、英語では「Deregulation」といい、もともと規制撤廃という意味だが、これに反対する官僚側が規制緩和という訳語を充てた。

 1980年代には、過剰規制があり、その撤廃をもくろむものだったが、そのうち規制なしでは「市場の失敗」も意識されるようになり、2000年あたりから、市場における規制を緩和・撤廃または強化することも含めて行うという意味で、規制改革「Regulatory Reform」と呼ばれるようになった。規制の態様でいえば、営業規制は緩和、社会・安全規制は強化というのが一般的だ。両者を組み合わせて行うこともある。

 小泉政権でも規制改革をメインテーマにしていた。その後の政権も一応は規制改革の旗を降ろしていないが、菅政権はほぼ15年ぶりの本格的な規制改革政権である。

 安倍政権でも規制改革をアベノミクスの第3の矢にしていたが、加計学園問題もあって、ほぼ開店休業状態だった。もともと、問題とされたのは、獣医学部に新規参入する加計学園側ではなく、それまで50年間も新規参入を拒んでいた文部科学省やその既得権を享受していた獣医師会またはそれらに群がる政治家であったが、加計問題でその構図がまったく忘れられ、参入者と拒否者が入れ替わって社会問題化したのは、この問題の関係者から見れば極めて不可解だった。いずれにしても、加計問題は、獣医学部以外の岩盤規制にしがみつく既得権者やそれに群がる政治家にとって、格好の弾よけになっていた。

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