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【高橋洋一 日本の解き方】行政改革の対象だった日本学術会議、独立望まず「国の機関」を選択 再度「民営化」を議論する好機だ (2/2ページ)

 今回、一部野党や一部メディアが1983年の国会における政府答弁を持ちだし、「学術会議が推薦する会員に対して政府が任命する際に裁量はない」とか、「政府が任命を拒否するのであれば説明責任がある」と主張している。これは、2003年改革で「民営化」しなかった経緯を無視したものだ。

 学術会議が政府の機関で、会員は国家公務員である以上、政府の任命に裁量があるのは当然だ。それが不満であれば、学術会議を民営化すればいい。学術会議が民営化を望まなかったのであれば任命に従うのは当然だ。その場合、政府による任命は「人事」であるので、その理由は述べないのが普通だ。そもそも人事に説明責任がないのはどんな組織でも同じだ。

 筆者の印象では、03年改革で日本学術会議は「民営化阻止」が最大目標だったのだろう。だから当時、「民営化」について意見を述べる機会が多かった筆者のところにも陳情に来たのだと思われる。筆者は詳細は覚えていないが、「民営化阻止」のためには何でもする、政府による人事も認めるという雰囲気はなかったのだろうか。

 「民営化」の手順は、まず日本学術会議法を廃止することだ。それだけだと日本学術会議は解体され、日本でアカデミーがなくなってしまうので、法廃止とともに、民間団体の設立を同時並行的に行うことになる。

 日本学術会議が話題になっているこの際、民営化議論を再び行うのもよい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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