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【八木秀次 突破する日本】菅首相「既得権益」打破へ 学者も容赦なし 日本学術会議の会員任命見送り (2/2ページ)

 行政事務の効率化のために「デジタル化」を打ち出し、これも支持されている。デジタル化が、大学やマスメディアに何をもたらすかは連載第3回と第4回でも述べた。大学教員はリストラの危機に陥り、新聞社やテレビ局は存亡の危機にひんする。

 大学教員やマスメディアは、大衆にとってエスタブリッシュメントだ。それが危機にひんすることを大衆は歓迎するかもしれない。国民の支持を受けて、大学の再編統廃合やマスメディアの整理が行われる可能性は高い。

 日本学術会議の会員任命見送りは、問題の所在自体を大衆は理解していない。学術会議に特定の政治勢力の関係者が浸透し、任命を見送られた6人にも関係者がいることを、政府もメディアも一言も触れないからだ。大衆は自分たちの生活とは関係のない学者のエライ先生の世界の話と理解している。関心も高くはない。

 むしろエスタブリッシュメントの学者先生が既得権益を守ろうとし、政府がそこに斬り込んでいると受け止めている。テレビの街頭インタビューでもそんな声があった。左派野党やメディアの攻勢は、国民には届いていない。菅政権を甘く見ない方がいい。=おわり

 ■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業、同大学院法学研究科修士課程修了、政治学研究科博士後期課程研究指導認定退学。専攻は憲法学。皇室法制、家族法制にも詳しい。第2回正論新風賞受賞。高崎経済大学教授などを経て現在、麗澤大学国際学部教授。内閣官房・教育再生実行会議有識者委員、山本七平賞選考委員など。法制審議会民法(相続関係)部会委員も務めた。著書に『憲法改正がなぜ必要か』(PHPパブリッシング)、『公教育再生』(PHP研究所)、『明治憲法の思想』(PHP新書)など多数。

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