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【高橋洋一 日本の解き方】核兵器禁止条約の理想と現実 批准で日本を襲う中朝の核の脅威 実効性では核不拡散条約のほうが上回る (1/2ページ)

 2021年1月に発効する核兵器禁止条約について、日本が批准(署名)していないことを批判する声がある。こうした批判は妥当なのか、日本が批准しない理由は何か。

 同条約を批准した国・地域は、発効に必要な50に達した。スウェーデン、スイス、オーストリア、アイルランドのNATO(北大西洋条約機構)非加盟国は批准した。ほかに批准した国は小国が多い。

 批准していないのは、核兵器保有国の米国、中国、英国、フランス、ロシア、インド、パキスタン、北朝鮮。そのほか、「核の傘」の下にあるカナダ、ドイツなどNATO加盟国、韓国、オーストラリア、そして日本と、いずれも米国と同盟を結んでいる国だ。

 将来的に全ての核兵器が禁止されることが望ましいのは異論がない。それをどうやって実現していくかが問題だ。

 核については、悩ましい現実もある。現在の技術では、核に対抗するには、核を保有し、核を使用すれば相互に破滅的な結果になるという状態しかない。いわゆる核の「恐怖の均衡」だ。現実の世界は、この「核抑止」で動いている。既に一定の核保有国とそれによる核の傘ができていて、核抑止による一定の安定があるからこそ、具体的に全ての国で核兵器を禁止する状態に持っていくのが難しくなる。

 日本は、いうまでもなく世界で唯一の核被爆国だ。なので、核兵器禁止を一番説得的に説明できるかもしれない。ただし、二度と核攻撃を受けないように、米国と同盟を結び、核の傘に入っている。

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