記事詳細

【米中新冷戦】日本の防衛、過度に米国依存する時代終わった 過去に「新たな大国関係」容認、ライス氏が国務長官なら“甘い”対中外交も (2/2ページ)

 彼の厳しい対中政策が継続することを期待したいが、副大統領時代に安倍晋三首相(当時)の靖国神社参拝を批判するなど、日本よりも中国や韓国に理解を示していた事実があり、不安感を払拭できない。

 バイデン氏の外交ブレーンは、日本などの同盟国との協調、中国の国際機関での影響力拡大を阻止することを重視しているが、注目されるのは、国務長官の人事だ。

 国務長官の有力候補は、バラク・オバマ政権で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)であったスーザン・ライス氏だと噂されている。ライス氏は当時、中国が主張する「新たな大国関係」を容認し、南シナ海で人工島を建設する中国に対して非常に甘い姿勢であった。

 彼女は中国を非常に重視し、日本に対しては冷淡で、日本の沖縄県・尖閣諸島の施政権さえ明確には認めなかった。中国にとっては、願ってもない国務長官ではないだろうか。

 結論として、バイデン政権の対日政策に関しては、過度の期待は禁物である。中国が急速に軍事力を増強し、戦争準備を加速する状況において、日本の防衛を米国に過度に依存する甘えの時代は過ぎ去った。

 日米同盟の重要性は不変だが、日本は覚悟を持って自助努力をすべきだ。政府を中心として国家ぐるみで「日本の危機を克服する気概」を持ち努力をしないと、日本の未来はない。

 ■渡部悦和(わたなべ よしかず) 元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。1955年、愛媛県生まれ。78年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。13年退職。著書に『自衛隊は中国人民解放軍に敗北する!?』(扶桑社新書)、『中国人民解放軍の全貌』(同)など。

関連ニュース