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コロナワクチンの虚実…高齢者、無症状者への効果未知数 「予防効果90%超」好データの信憑性は… 村中璃子氏緊急リポート (3/3ページ)

 ビオンテックと同じ独バイオベンチャーの「キュアバック」もリリースを発表。同社が手がけるのもビオンテックと同じmRNAワクチンだが、ビ社らが開発中のワクチンはマイナス70度という超低温管理が必要なのに対し、キュ社のワクチンは5度。一般家庭にある冷蔵庫で3カ月は安定した状態を保つという。

 そして、米保健省と開発を進める米モデルナは16日、「今月中にも出す」と言っていた中間解析を早くも発表。ファイザーの94人よりも1人分だけ多い95人の感染者のうちプラセボ接種者は90人で、ワクチン接種者は5人。「有効性は94・5%」とファイザーとは異なり、人数の内訳を示したうえで、2回目接種から14日目(初回接種から4週間)の評価で、ファイザーを上回る有効性をはじき出した。また、重症例は11人で、全員がプラセボ接種者だったと強調。同社のワクチンには重症化を防ぐ可能性も示唆した。ちなみに同ワクチンの管理温度はマイナス4度だ。家庭用の冷凍庫で管理できる温度である。

 18日、ファイザーは「有効性95%」「高齢者にも94%」と具体的な数値を明らかにし、モデルナのワクチンと同等の有効性があることを強調した。世界がしのぎを削るなか、ワクチン開発への期待は高まるばかりだ。しかしだからこそ、ワクチンの実力はデータがすべて出そろうまでは何とも言えないことを念頭に、ワクチン以外の方法で流行を食い止める努力を続けることが肝要である。

 ■村中璃子(むらなか・りこ) 医師、ジャーナリスト。現在、京都大学医学研究科非常勤講師、ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局で、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ対策に携わった経験を持つ。科学誌『ネイチャー』ほか主催のジョン・マドックス賞受賞。近著に『新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症』(光文社新書)。

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