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【長谷川幸洋 ニュースの核心】東京五輪と一体のワクチン開発 「東京に行きました。幸い、感染しませんでした」では勝利にならない (1/2ページ)

 菅義偉首相が16日、首相官邸で国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長と会談し、東京五輪・パラリンピックの来年開催を確認した。両者は「観客を入れた開催を目指す」方針でも一致した。

 一部には「やはり中止か…」という見方も出ていたなか、両者が開催方針で一致したのは歓迎したい。中止となれば、日本は投資が無駄になるだけでなく、経済への打撃は計り知れず、政権の求心力にも響きかねない局面だった。

 菅首相は「人類がウイルスに打ち勝った証しとして、東日本大震災からの復興を世界に発信する『復興五輪・パラリンピック』として実現する決意」と表明した。新型コロナの収束が見通せないなかで「人類が打ち勝つ証し」とは、どんな意味なのか。

 バッハ氏は「ワクチンが入手可能なら、選手に接種する費用をIOCが負担する」と語った。両者の発言を考え合わせると、日本とIOCは「東京を訪れた各国選手団や関係者、さらに観戦客に対して、希望すれば、誰にもワクチンを接種できるようにしたい」のではないか。

 ワクチンが首尾よく完成したとしても、欧米や日本はともかく、途上国や新興国が来年7月の五輪開催までに独自にワクチンを入手するのは難しいかもしれない。そのとき、東京五輪で来日する選手や観客に、日本とIOCがワクチンを提供する。そうなれば、「人類がコロナに打ち勝つ」という話になるだろう。

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