記事詳細

【日本の元気 山根一眞】科学技術で歴史検証「日本史サイエンス」に感動 (1/3ページ)

 久々に「本」による知的興奮を満喫した。播田安弘著『日本史サイエンス』(講談社ブルーバックス)だ。夕刊フジの書店ベストセラーランキングで10位に入っていたので気になり読んだのだが、毎晩この本の内容が夢に出てくるほど心を奪われている。

 造船技術者である著者は、蒙古来襲、秀吉の大返し、戦艦大和の3テーマについて造船知識と経験をもとに数字で徹底検証している。その一部を紹介する。

 1274年の蒙古襲来(文永の役)では、約900隻、3万人の蒙古兵が博多湾から九州に上陸。九州陥落かと思われたが、突然、兵は博多湾の軍船に撤退。そこに「神風」が吹いて蒙古軍は壊滅した。蒙古襲来からおよそ750年になるが、私たちは日本が救われたのは大型の台風(神風)のおかげだと思い込んできた。播田さんはその史実に疑問を抱き、造船技術者として検証を進めた。

 元が日本進攻用の軍船建造を命じたのは支配下の高麗だった。元寇の戦争準備は『高麗史』(1451年刊)によって語られてきた。元の初代皇帝フビライは高麗に大型軍船300隻、小型上陸艇300隻、水汲み艇300隻を6カ月以内に建造するよう厳命。大工ら3万人以上が動員、建造に当たった。

関連ニュース