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【日本の元気 山根一眞】生命の起源解明に期待 小惑星探査機「はやぶさ2」の「分離カプセル」が12月6日帰還 (1/2ページ)

 小惑星探査機「はやぶさ2」から分離した「カプセル」が、いよいよ12月6日(日)午前3時少し前(日本時間)に豪州の砂漠地帯にある軍事試験エリア、WPA(ウーメラ立ち入り制限区域)に着地する予定だ。

 私が種子島宇宙センターでH-2Aロケットによるはやぶさ2の旅立ちを見送ったのは6年前の2014年12月3日だった。見送った以上は出迎えると当時決意したが、今回は泣く泣く断念した。新型コロナ対策でオーストラリア政府が外国人の入国禁止措置をとっているからだ。カプセル回収班は特別措置として入国済みだが、それでも出国前1週間と入国後2週間は隔離という厳しい条件だった。

 はやぶさ2は、炭素や有機物を多く含むC型小惑星、リュウグウで採取したサンプル(砂粒)を格納したカプセルを届けてくれる予定で、そのサンプルから太陽系の歴史、地球の生命起源を解く有力な手がかりが得られることは間違いない。回収に成功すれば人類初の大成果で、この日を国民の祝日としてもいいほどだが、新型コロナで地球生命の起源どころではないのは何とも無念だ。

 10年半前の10年6月13日深夜、私はWPAで、はやぶさ初号機の帰還を目撃した。はやぶさは爆発消滅しながらもカプセルを無事に届けてくれた。全天を真昼のように照らし消えていったはやぶさの最期は、生涯最大の感動だった。私は拙著『小惑星探査機はやぶさの大冒険』でそのシーンを書きながら涙が止まらなかった。泣きながらノンフィクションの原稿を書くなんて初めての経験だった。

 カプセル着地成功の翌日、回収指揮官である宇宙科学研究所の國中均教授(現・所長)が記者会見でその感激を語ったが、会見場の記者は2~3人のみでテレビ局の姿もなかった(それほど、はやぶさへの関心は薄かった)。

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