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【勝負師たちの系譜】将棋用具の話 打ったときの音が素晴らしい「柘植駒」 (1/2ページ)

 今回は将棋の駒の話。一口に駒と言っても、あらゆる種類や製法がある。

 まず駒の材質は柘植(ツゲ)を最上とし、後は槇(まき)や桜など、どんな材質でも作れるが、柘植ほどの感触を持った駒は他にない。

 同じ柘植でも、伊豆七島の御蔵島産が最高で、後は薩摩産が続き、最近では中国産も見かけるようになった。

 柘植がなぜ良いかと言うと、材質が硬く、柔らかい榧(カヤ)の盤と相性が良いからで、駒を打った時の音が素晴らしい。

 また柘植だけが、手入れを怠らなければ自然にツヤが出てきて、新品より何十年かたった駒の方が、味のある駒となるからだ。

 駒の製法としては、彫った文字を漆で埋め、さらに盛り上げる盛り上げ駒(プロが使う)が最高で、次に埋めただけの彫埋め駒、彫駒と続く。

 あとは書き駒やスタンプ駒など、昔ながらの駒があり、最近ではプラスチック駒がよく使われている。

 私が子供の頃は、槇のスタンプ駒が30円で、これを使って将棋を指す他は、音をたてないように駒を引っ張ってくる「山崩し」や「回り将棋」などを楽しんだものだった。プラスチック駒になってから、これらの遊びはできなくなってしまったのが残念。

 盛り上げ駒でも、材質が柾目や根杢となると高価で、これを一流の職人が作ると、100万円以上する駒もある。

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