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【日本の元気 山根一眞】修学旅行で訪れた55年前の球磨川 昨年7月に大洪水災害…人吉市へ寄せる思い募った (3/3ページ)

 その被害を調べたところ、押し寄せる泥水にまみれたこのホテルの惨状の写真が続々と見つかった。被害額は15億円に上ったという。また、運営企業(鮎里ホテル)の会長、社長、女将、若女将らが他の被災旅館ホテルとともに窮状を訴える活動を熱心に続けていることも知った。

 55年前のたった1泊の出来事が、残してあった資料によってまざまざと蘇り、それが55年後の巨大災害と二重写しになり、私の人吉市へ寄せる思いはさらに募り、どんな小さなことでも記録を残しておくことがいかに大事かを実感した。花あゆの里の復興オープンは私にとっては55年前の思い出の復興でもある。何かお手伝いできないかと考えている。

 ■山根一眞(やまね・かずま) ノンフィクション作家、福井県年縞博物館特別館長。愛地球博愛知県総合プロデューサーなど多くの博覧祭も手がけてきた。近刊は『理化学研究所 100年目の巨大研究機関』『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち』。「山根一眞の科学者を訪ねて三千里」(講談社)を連載中。理化学研究所名誉相談役、JAXA客員、福井県交流文化顧問、獨協大学非常勤講師、日本文藝家協会会員。

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