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【菊池雅之 最新国防ファイル】津波にのまれたブルーインパルス 悲劇忘れないと尾翼がモニュメントに (1/2ページ)

 宮城県の中心地である仙台から車で約1時間、仙台湾の沿岸部に航空自衛隊松島基地(同県東松島市)はある。この基地には、空自の顔であるアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が所在している。

 正式な部隊名は第11飛行隊と言う。T-4練習機6機を使い、急上昇、急降下、編隊で近接してのタイトな飛行など、見る者を楽しませる数々の演技を行う。ニックネーム通り、青を配し、白を加えることで、大空をイメージする機体のカラーリングが特徴的だ。

 その第11飛行隊が使う隊舎の入り口前には、ブルーインパルスの垂直尾翼が置かれている。この尾翼には、第11飛行隊のメンバーだけでなく、松島基地の隊員たちの嘆きと悲しみが込められ、未来への希望が託されている。

 2011年3月10日、ブルーインパルスは空自芦屋基地(福岡県芦屋町など)へ展開した。12日、博多駅にて、九州新幹線全線開通を記念した式典が行われるからだ。ブルーインパルスは、その式典に合わせて、博多上空でデモフライトを実施することになっていた。

 11日午後1時ごろ。ブルーインパルスは、予行演習を本番同様に実施した。駅前を行き交う人々は、真っ青に晴れ渡った空を見上げ、迫力あるフライトに目を奪われた。

 演技が終了した直後となる同2時46分、東日本大震災が発生する。マグニチュード9・0という巨大な揺れとともに、津波が青森県から千葉県までの太平洋沿岸を襲った。松島基地も津波に飲み込まれてしまった。

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