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【菊池雅之 最新国防ファイル】情報、機動力を重視!! 新しい自衛隊を見た「富士総合火力演習」 (1/2ページ)

 陸上自衛隊による「富士総合火力演習」が22日、東富士演習場(静岡県御殿場市など)で実施された。陸自最大規模の実弾射撃演習であり、「総火演(そうかえん)」との略称で、国民にも広く知られている。今回は、人員約3100人(演習実施部隊)、戦車・装甲車45両、各種火砲54門が参加した。

 総火演は1961年、富士学校に入校中の学生に行う教育の一環として始まった。66年から、自衛隊への理解を深めてもらうことを目的に一般公開も開始され、毎年8月に必ず実施されてきた。今年で63回目を数える歴史ある訓練ともなっている。

 しかし、昨年から大きく変わった。

 まず、5月開催となった。これは、東京五輪・パラリンピックの時期とズラすことが目的だった。だが、新型コロナウイルスの感染拡大で、昨年の東京五輪は1年延期となった。さらに、感染予防の観点から、一般公開は行わない方針とした。今年も、昨年と同じ理由で5月開催となり、一般公開なしでの実施となった。

 これまでの総火演は、機甲(戦車)科が中心となった戦闘団による圧倒的な火力戦闘が中心だった。だが、今年のポスターには、「情報・火力・機動-すべての力がここに集結」と、これまでにないキャッチコピーが書かれていた。

 最初に「情報」がかかれているのは、自衛隊が新たなステージに進み、かつ総火演が大きく変わったことを示していた。

 今回初めて情報収集の手段として、無人偵察機「スキャンイーグル」が参加した。これまでなかった装備だ。さらに敵の電波を収集し、妨害もできる「電子戦部隊」が参加した。

 今年3月29日、健軍駐屯地(熊本市)に「第301電子戦中隊」が新編された。この部隊は、ネットワーク電子戦システム「NEWS」を配備した、初の本格的電子戦部隊だ。総火演においても、NEWSを展開し、敵の電波を妨害し、味方同士をネットワークでつないだ。

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