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韓国の101歳哲学者、文政権の中朝傾斜を憂慮 強権主義対抗、日本に期待 (1/2ページ)

 【ソウル=桜井紀雄】韓国で「賢者」と呼ばれて尊敬される101歳の哲学者、金亨錫(キム・ヒョンソク)延世(ヨンセ)大名誉教授が産経新聞のインタビューに応じた。金教授は、中国と北朝鮮に傾倒する文在寅(ムン・ジェイン)政権への憂慮を示し、中国の強権主義に対抗する上での日本の役割に期待を示した。

 金教授は1920年に平壌で生まれ、日本の上智大を卒業した。同郷だった北朝鮮の金日成(イルソン)主席と対面した経験もある。47年に脱北後は長年、教壇に立ってきた。脱北したのは「宗教や思想の自由がない国になる」と悟ったためだ。日本の大学を出た友人は現朝鮮労働党の要職に登用されたが、自由な考えがたたり排除され、自殺したという。

 党のすることが正義とされる共産主義体制では、家族の間でも本当のことを話せなくなり、「真実と正義、人間愛がなくなる」と金教授は強調する。

 中国では習近平国家主席が毛沢東時代の強権体制に戻ろうとしており、香港でも民主派の弾圧が続いている。70年以上前に自身が平壌で体験した自由や真実の喪失が今、香港で起きていると感じる。中国の強権思想が「21世紀にも残っているのは大きな不幸だ」と断じた。

 左派の文政権もメディアへの圧力を強めており、「自由がなくなり、中朝のようになれば、人間愛も壊れていく」と危惧を示す。