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激増するサイバー攻撃の恐怖 米同時多発テロから20年 水道、石油パイプライン…狙われるインフラ、背後に国家の支援も (2/2ページ)

 「政府だけでは対応できない」。バイデン米大統領は8月、グーグルやアップルなど米巨大ITや金融、エネルギー企業の首脳を集め、サイバー攻撃対策の強化を呼びかけた。応じたグーグルは今後5年間で100億ドル、マイクロソフトは200億ドルの巨額資金を投じる方針を示した。

 米への大規模なサイバー攻撃は、中国やロシアなどの関与が疑われている。マイクロソフトが昨年9月に公開したリポートでは、過去2年間で国家が支援したとみられる攻撃は1万3000件超あり、ロシアが最多でイラン、中国が続いた。パイプラインへの攻撃はロシア発とみられており、今年6月の米露首脳会談でも話題に上った。

 特にランサムウエアは、企業側が早期に事態を収拾したいために身代金に応じるという「心理」につけ込んでくる。米国土安全保障省によると、2020年に約3億5000万ドルの身代金がハッカー側に渡った。今年5月には国際的な食肉加工大手JBSが工場を停止、7月にも米IT企業カセヤの企業向けソフトウエアが攻撃を受けた。日本企業でも光学機器大手のHOYA、ゲーム大手のカプコンなどが被害に遭っている。

 米病院協会のサイバーセキュリティー担当上級顧問で元米連邦捜査局(FBI)捜査官のジョン・リグ氏は現状を同時テロ後になぞらえ、「犯罪者は米国に敵対的な国家で活動している」と指摘。「同時テロ後に開始された対テロ戦争のような戦いが必要だ」と強調した。

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