記事詳細

【無駄を嗜む】たばこ税増税は“打ち出の小づち” 喫煙者は「納税」の意識を持つべき (1/2ページ)

 コロナ禍を契機に私がたばこを吸い始めて1年。10月1日のたばこ値上げを前に、たばこ税について調べて驚きました。紙巻たばこの税収は、冷戦時代の1985年からバブル期を経て令和2年まで、実に35年もの間、おおむね2兆円を維持。驚くべき安定財源です。これはイージス艦10隻の建造費に相当します。しかも、たばこ販売量の減少に合わせて小刻みに税率を上げ続けても、消費税と違い大して文句が出ない。財務省にとっては打ち出の小づちです。

 たばこ税は教育、防災、災害の復興、旧国鉄の債務償還など、多用途に使われていることをご存知ですか。しかし非喫煙者はもちろん、納税している当の喫煙者自身さえも、その税の使い道に無頓着なことが多い。

 無頓着になる原因は、たばこ価格が総額表示だからです。税額がいくらかは、意識して調べない限りわかりません。明治時代(1890年)、政府の税収の6割が地租(土地所有者への課税)でした。それが大正期になると地租が激減して所得税が第1位になる。この所得税納付は現在のように申告制ではなく賦課課税制度と呼ばれ、税務署側が算定して決めます。勤め人だろうと自営業者であろうと全部この制度です。しかし1940年、戦時統制によって所謂「源泉徴収制度」が開始されます。サラリーマンの給与天引きです。これによって、「税金は何となく勝手に支払っているもの」という認識が強くなりました。源泉徴収のデメリットは、納税した後の税の使い道に対して、納税者が無頓着になった事です。ガソリンやたばこも、店頭には税の「表示」がない。納税しているのにその意識を希釈化させることで、たばこ税は恒常的な増税にとって好都合となったのです。加えて、たばこ税増税の根拠には「健康増進」という大義の元で進められる「偏見」が見え隠れします。

関連ニュース