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北朝鮮の金正恩体制が「崩壊の時」に近づいている (2/5ページ)

 そしてこのほど、こうした防疫措置が北朝鮮の貿易をいかに委縮させたかについて、客観的な観測情報が出た。

 国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは4日(現地時間)、今年2月から8月初旬の制裁の履行状況をまとめた中間報告書を発表。北朝鮮はコロナ禍の中でも核・ミサイル開発を続けていると明らかにし、国際社会の制裁を逃れるための手法が高度化していると指摘する一方、次のような状況にも言及した。

 北朝鮮は近年、安保理決議で禁止されている石炭の密輸出を継続してきた。しかしこれも、コロナの影響で大幅に減少している。報告書によると、今年1~4月に不法輸出した石炭は約36万トンで、このペースが続けば北朝鮮の今年の年間石炭輸出量は約110万トンになる。これは、新型コロナの影響を受けた昨年(480万トン)の4分の1を下回る。

 また、北朝鮮は国連安保理決議(2397号)に基づき年間50万バレルの石油精製品を輸入できるが、報告書によると、7月中旬時点で制裁委員会に報告された石油精製品の輸入量は安保理が定める年間上限の4.75%(約2万3750バレルに)とどまった。

 金正恩の「パラノイア」

 石油精製品については、「不法な輸入が上限の50万バレルを上回っている」と指摘する加盟国もあるという。それが事実だとしても、正々堂々と使える大量の輸入枠を持て余しているのなら、コロナ以前の輸入量から激減したものと推測できる。

 デイリーNKジャパンは昨年から繰り返し、コロナ対策の貿易停止により、営農資材が北朝鮮に輸入されなくなったと報じてきた。それにより、ただでさえ脆弱な農業はいっそう生産力を落とし、慢性的な食糧難を加重している。

 (参考記事:「国家存亡に関わる」金正恩が招いた”絶糧状態”という本物の危機

デイリーNKジャパン

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