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【ぴいぷる】ノンフィクションライター・小野一光 DV、シングルマザー、就職難、貧困…非常時だから性を売る、風俗嬢は社会を映す窓 新著『限界風俗嬢』が話題 (1/3ページ)

 「戦場から風俗まで」をテーマに、アフガニスタン内戦や大震災の取材、何人もの殺人犯との接見などを行っている。風俗嬢についても、20年以上、スポーツ紙などでインタビューを続けてきた。その数1000人以上。なぜ風俗で働こうとしたのか、働くうちに心境の変化はあったのか…。風俗嬢の10年、20年の軌跡を『限界風俗嬢』(集英社)にまとめた。

 「スポーツ紙の取材では店のPRになることしか聞けないので、深い話があると感じた子には個別に声をかけました。今回、その当時の連絡先に電話やメールをしたら、奇跡的につながった子もいて、『その後』を聞くことができました」

 「限界」というタイトルは、性暴力や毒親、貧困、セックスレス…など、それぞれ「限界」を抱えながら風俗で働く子が多かったから。

 「小6のときに1つ年上の先輩やその仲間に弄ばれ、中学以降も『援交をしてカネを稼いでこい』と言われるままになっていた子の場合、風俗の現場で『SEXなんて、大したことはない』と思うことによって、自分に起きた嫌な経験を少しずつ薄めているようでした」

 14歳のときに義父に犯されてリストカットや薬物の過剰摂取を繰り返す子や、夫とのセックスレス問題を抱えながら20年も風俗嬢を続ける人妻なども登場する。

 「自分の都合がいいように時間が使えると話す女性は多いですね。それで再び(風俗に)戻るケースもありました」

 1995年の阪神・淡路大震災以降、災害取材も守備範囲になっている。2011年の東日本大震災では、震災翌日から写真誌の派遣記者として被害の実態を伝えた。1カ月後、被災した地区の女性が風俗に働きに出ているという話を耳にした。

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