市橋も目指した南の島 犯罪者はなぜ沖縄に逃げる!?

2009.11.21


市橋容疑者も目指した沖縄は、ワケありの流れ者にとって“最後の楽園”だった!?【拡大】

 英国籍の英会話講師、リンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=の死体遺棄事件で、千葉県警に逮捕され、21日に絶食11日目に入ったた市橋達也容疑者(30)。2年半の逃亡生活は、フェリー乗り場で終わったが、目的地だった沖縄では、今年7月に交際相手の母親を殺害し、交際相手を連れ去った指名手配犯が逮捕されている。なぜ、犯罪者は逃亡先に沖縄を選ぶのか。

 市橋容疑者は大阪市の大阪南港フェリーターミナルで、沖縄行きのフェリー「琉球エキスプレス」に乗船しようとしたが、大阪府警の捜査員に身柄を確保された。

 目指した沖縄の那覇市では今年7月、千葉市の団地で衣料品店店員、豊田愛子さん=当時(61)=を殺害し、豊田さんの次女で交際相手だった女性=同(22)=を連れ去った無職、仲田敬行被告=同(28)、殺人と銃刀法違反で起訴=の逮捕劇が記憶に新しい。

 2006年には、ライブドア事件に関与したとされるエイチ・エス証券の野口英昭副社長=当時(38)=が、那覇市のカプセルホテルで“自殺”を遂げている。ほかにも犯罪者や複雑な事情を抱えた人が沖縄に逃避するケースは多い。

 現地の教育関係者が要因のひとつとして挙げるのは県民性だ。

 「沖縄の古い言葉に『いちゃりばちょーでー(一度会えば皆兄弟)』というのがある。これが象徴するように、沖縄には“よそ者”を受け入れる寛容さがある。地方にみられる閉鎖性とは無縁で、過去を詮索する人も少ない。そうした風土が、事情を抱えた人にとっては理想的な環境なのかもしれません」

 沖縄の環境自体も、後ろ暗い事情を抱えた人間には好都合だ。

 県観光企画課によると、今年1〜9月の観光客数は431万4400人。景気減退の中でも毎年500万人超が沖縄に来ており、こうした「人の波」に紛れるのは容易だ。沖縄本島には、中南部などに複数の歓楽街があり、素性を明かさずにできる仕事も結構ある。

 最近の移住ブームに乗って大量に移り住んでいる若者たちに紛れるという手もある。ジャーナリストの大谷昭宏氏は「多くの若者が『自分探しの旅』と称して沖縄に向かっている。石垣島では、住民登録しないまま現地に居座って公共サービスにただ乗りする若者の存在が問題となっているほど。市橋容疑者は海外逃亡よりも危険が少ない沖縄に渡り、こうした若者に混じって生活しようと考えたのではないか」と指摘する。

 実際、那覇市在住の会社員女性(28)は「得体の知れない本土出身者が非常に多い。住民票も移さず、半年や1年だけ移住して本土に帰る人の中には、素行の悪い人が大勢いる。現地では、こうしたろくでもない移住組の本土人を『シマナイチャー』と呼んでいます」と話す。

 市橋容疑者には、これが“南の楽園”に見えていたのかもしれない。

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