連続不審死事件被害のプラモ愛好家 コンテナ一杯の“遺品”

2010.02.04

 埼玉県警が殺人の疑いなどで逮捕した東京都豊島区の無職、木嶋佳苗容疑者(35)の周囲で複数の男性が不審死している事件で、被害者の会社員、大出嘉之さん=当時(41)=がコンテナ1台分にもおよぶ大量のプラモデルを遺していたことが分かった。プラモ愛好家の間では有名だった大出さんのブログやネット上の掲示板には、いまも追悼コメントが相次いでいる。

 「報道があってビックリしました。まさかあの人の遺品だったなんて…」。こう打ち明けるのは埼玉県内にある倉庫会社の関係者。「あの人」とは昨年8月6日に埼玉県富士見市の駐車場に止めてあった車の中で遺体となって発見された大出さんのことだ。

 関係者によると、大出さんの“遺品”が持ち込まれたのは、事件が報道される前の昨年9月中旬。大出さんの親族とみられる男性からの依頼で、東京都千代田区にある大出さんの自宅からトラックで運び出した。現在は埼玉県内のコンテナヤードに保管されているという。

 大出さんが亡くなった後の遺品整理のための処置とみられ、「詳しい事情は話してくれませんでしたが、応対した男性は終始暗い表情だった。中身は軍事物のプラモデルやジオラマの箱がほとんど。数えきれないほどの量で、コンテナ1台分ぐらいはありました」。

 コンテナは幅約2.4×高さ約2.5×奥行き約6メートルの大きさというから膨大な量だ。

 大出さんは会社勤めのかたわら、模型製作を趣味にしていた。ホビー会社が主宰する大会で入賞した経験も持つ腕前で、「トーマモデルズ」の名義で模型の製作・販売も請け負っていた。

 大出さんが死の直前、自らのブログに「今夜から2泊3日で相手(=木嶋容疑者)と婚前旅行に行きます」と掲載していたことは知られているが、同時に、「結婚したらしばらく模型は無理でしょうけど、パワーアップしていつか必ず復活しますよ」と模型への熱い思いもつづっていた。“遺品”の量は、その思い入れの深さを裏付けている。

 そんな大出さんの悲劇は、模型マニアたちにも衝撃を与えている。ネット上の掲示板やブログでは大出さんの死を嘆くコメントが、いまも書き込まれている。「緊急・追悼大出嘉之」と題する記事をブログに掲載したある戦車模型マニアは、「純な人が模型趣味の人には多いというか、社会的免疫が無いのも事実です。それが、単なる自分のお金だけならまだしも、命まで取られてしまうとは… 悲しい事です」と“同志”ゆえの複雑な事情を吐露している。

 

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