大相撲の野球賭博問題で、NHKが相撲中継を取りやめたことの影響がじわじわ現れ始めた。特に深刻なのが、相撲ファンのお年寄り。施設で生活し、テレビの相撲中継が数少ない楽しみの人たちには大問題のようだ。千葉県内にある低所得者向け老人ホーム職員に聞くと、相撲中継中止によって施設内では、さまざまな問題が生じているという。
−−たかが相撲、という気もしますけれど
「されど相撲です。実は日曜日の午後からホーム内が奇妙に静かなんですよ」
−−どうして?
「ここで生活する約50人のお年寄りにとって、相撲は会話の大切なきっかけなんです。中継がないのにがっかりして入所者同士の会話がはずまず、普段より静まり返っています」
−−いちおう、ダイジェストは放送されていますが
「『あれは次々と画面が変わるからついていけないねぇ』と不評です。お年寄りは勝負が始まるまでのゆったりとした間が好きなようです」
−−ほかに何か影響はありますか
「食堂のおばさん達がプリプリしています」
−−は?
「うちの施設では夕食を食堂で午後5時半からとるのですが、食堂にはテレビがないので、場所中は食事を10分以内ですませて自室に戻り、相撲の続きを見ていました」
−−でも相撲中継がないと…
「いつも通り30分以上かけて、のんびり食べています。だからおばさん達は『お相撲のときはいつも早く帰れたのに』と不機嫌なんですよ」
−−NHKもこんな影響が出るとは思わなかったでしょうね
「実は、不安もあります。認知症の方はちょっとした生活の変化でパニックに陥ったり、体調を崩したりします。実際、『どうして相撲やらんの?』と何度も聞いてくるおじいちゃんがいるんです。この先、どうなるか。かなり心配しているところです」