カップラーメン市場に革命を起こした「日清ラ王」シリーズが、8月いっぱいで生産中止になることが分かった。カップラーメンの歴史を塗り替えたとされる一大ブランドの消滅に、ファンは衝撃を受けている。
「高級カップラーメン市場を切り開いた先駆けで、生タイプとしてはほぼ孤高の存在。乾燥でなく生の麺、しかも待ち時間ゼロという強い個性はもちろん、ほっとする優しい味のスープも隠れた魅力でした。高くても本物に近いラーメンを食べたいという新しいニーズを引き出した名作だけに、寂しいかぎりです」
ラ王の消滅を惜しむのは、“日本一ラーメンを食べた女”として知られるカップ麺ブロガーでモデルの麻布台綾子さん。次々に新製品が登場するカップラーメンの、ほぼすべてを食べている麻布台さんにとっても、ラ王は特別な存在だという。
日清食品は製造中止の理由について「1992年の発売当初は、ラーメン店に匹敵する生麺のクオリティーが大ヒットしましたが、2000年以降は高級タイプのノンフライ麺との競合が激化し、年を追うごとにシェアを落としていた」(広報部)と説明する。
麻布台さんは「これまで中途半端と評されていたノンフライ麺が、高級タイプ向けにクオリティーを一気に高めた結果、『生麺』のラ王に取って代わったのです。最近のラ王はコンビニにも入荷されないほど勢いを落としていましたが、定番品ゆえの“いつでも買える”安心感が、逆に購買欲を低下させてしまった感は否めません」と語る。
こうしたラ王の消滅を惜しむファンに対し、日清食品は30日から8月中旬まで追悼イベント「ラ王追湯(ツイートウ)式典」(http://twi-tou.rao.jp/)を特設サイトで実施する。ラ王への熱い思いをツイートした(つぶやいた)人の中から、抽選で100人にラ王しょう油味1ケース(12個)がプレゼントされる。
一方、ラ王とほぼ入れ替わりで誕生するのが、「カップヌードル」の麺をご飯に替えた「カップヌードルごはん」(税別250円)だ。
「まずは、しょう油ベースとシーフードベースの2種類を発売します。具材の構成は通常のヌードルと一緒です。おじやをイメージするかもしれませんが、実際にはチャーハンに近い。分量はおにぎり2個分、カロリーは従来のヌードルとほぼ一緒です」(広報部)
8月16日から近畿2府4県で発売し、順次、全国販売する。売れ行きを見ながら味のレパートリーも増やす方針という。
ラオウ(ラ王)が死して、悟飯(ごはん)が生まれる−というわけだ。
