実は都電最古の車両!「ササラ電車」77年ぶり里帰り

2010.11.22

 国内で稼働している都電最古の車両が77年ぶりの里帰り−。昭和9年に東京市電気局(現・東京都交通局)が函館市電に譲渡して改造された名物電車「ササラ電車」を都交通局が、来年開催の100周年記念事業の目玉として呼び戻すことが21日、分かった。都交通局の古い車両の多くは戦災で焼失したが、「ササラ電車」は函館市内で除雪用として年数回のみ稼働。明治期に製造された“幻の電車”とされるだけに、鉄道ファンの注目を集めそうだ。★鉄道特集

 都交通局などによると、車両は明治30年代に製造された四輪単車「ヨヘロ形」。旅客用として東京市電気局の前身の東京鉄道KK(明治39〜44年)のころから、都内の公共交通の柱として活躍した。改造された車両は重さ約10トン、全長8・7メートル。函館市交通局によると、除雪のために計6回程度出動しているという。

 市交通局は、昭和9年に約10万人が被災した函館大火で多くの車両を失ったため、東京市電気局から都内を走っていた同車両25両を購入。

 このうち、12年には6両がササラ電車に改造されたが、老朽化などで現在残っているのは2両だけとなっている。

 明治44年8月に開局した都交通局は、軌道事業(路面電車)と電気事業(火力発電)を開始してから来年で100周年。

 同局が昨年から市交通局と本格的な交渉を重ね、来年6〜8月に江戸東京博物館(墨田区)などで展示するため、借り受けの調整を行っている。

 車両の天井には、都内を走っていたころに張られた厚紙が当時のままで、車両内は明治の趣を残している。市交通局は「もともと東京のものだった。縁があって、ササラ電車として形を変えた車両を友好の証しとしてもみてほしい」としている。

 一方、借り受ける側の都交通局は「戦災で焼失した古い車両が多い中、残っているのは非常にめずらしい。形を変え、偶然が重なって生き残った車両の里帰りで記念事業を盛り上げていきたい」と往年の車両の“復帰”を待望している。★鉄道特集

 

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