元風俗嬢の凄まじい凋落ぶり 真実を話して墓穴掘る

2010.12.22


画・松橋犬輔【拡大】

 本田桃子(仮名、42)は昨年、手提げバッグやドッグフードを盗んで二度も裁判にかけられた。有罪判決を受け、現在は栃木刑務所で服役中だ。女囚には不似合いの、胸元が大きく開いたセクシーな上着で、三度目の裁きを受けている。

 事件は4年前の師走にさかのぼる。桃子は年老いた母親と東京・練馬の貴金属店を訪れた。「指輪を見せてください」。店員は2、3個をトレイに載せた。桃子は指輪を手に取り、買う気もないのに見入るフリをする。

 「あっ!」

 桃子は指輪を床に落とした。店員の視線が下がったのを確認し、トレイにあるカルティエの指輪(約18万円相当)をポケットに忍ばせた。そして涼しい顔で店を出た。

 「24歳から34歳ぐらいまで、風俗店に勤めていたので高額の収入があった。ほしい物は何でも手に入った。ブランド品が大好きで、買い集めていた。でも(犯行)当時は生活保護を受けていた」と証言する。

 「風俗のころと、今の月収は?」と裁判長が聞くと「月収1000万円だったのが、今は2200円です」。すさまじい凋落ぶりだ。年を重ねるたびに風俗では客が取れなくなり、やがてお払い箱となった。それでもブランド品の購入熱は冷めず、交際相手の男性におねだりして買ってもらうこともあった。

 盗んだ指輪は1年半ほど指にはめていたが、生活苦に耐えきれず、下取り店に3万円で売却した。桃子が服役した後、警視庁の追跡捜査で余罪が立件されたわけだ。

 「大きな犯罪をやる前に、刑務所に入れてよかった!」と涙ながらに訴えた直後、「少しでも刑期を短くしたいので、本当のことを言います」とちぐはぐなことを言い放つ。そして「前回までの裁判では動機を『精神安定剤の影響で覚えていない』といったが、本当は私自身のわがままです」。ここで過去の証言も偽証と認めるとは…。どうみても墓穴を掘った桃子。塀の中の生活は、長引きそうだ。(文・安藤健二、画・松橋犬輔)

 ■松橋犬輔(まつはし・いぬすけ) リアルな法廷の人間模様を描いた「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」の最新コミックス12巻が好評発売中。10月25日、新創刊の月刊「コミックゼノン」では、裁判員をテーマにパワーアップした続編の連載をスタートさせた。北尾トロ氏の原作(文春文庫)は映画化され、全国公開中。

 

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