オトナも子供も…リニア・鉄道館はスゴいゾ!

2011.03.05


試験車両の300X(中央)と超電導リニアMLX01−1。後ろのスクリーンには蒸気からリニアまで高速鉄道の歴代車両が映し出される【拡大】

 JR東海の「リニア・鉄道館」(名古屋市港区)が14日にオープンする。規模こそJR東日本の「鉄道博物館」(さいたま市)に及ばないものの、スピードへの情熱、新幹線乗務員の制服を着用したアテンダント、遊び心満載のジオラマなど見どころはたっぷり。「高速鉄道の歩み」がテーマの博物館をひと足早く紹介する。

 エントランスに隣接した「シンボル展示」の空間でスポットライトに照らし出される3つの車両。それぞれの分野で世界最高速を達成した勇者たちだ。

 C62形蒸気機関車17号機は昭和29年の橋梁強度試験で、狭軌(1067ミリ)の蒸気機関車として世界最高となる時速129キロを記録した。

 300Xの愛称を持つ955形新幹線試験車両は平成8年に時速443キロを記録。これは昨年、中国の高速鉄道に抜かれるまで電車形式での世界最高速だった。

 超電導リニアMLX01−1は15年に山梨実験線で時速581キロを記録。磁気浮上式を含めた鉄道の世界最高速として現在もギネスに認定されている。

 0系に始まる新幹線のスピード記録と安全神話は、戦後の高度成長期における「日本人のプライドの象徴として存在」(山田佳臣JR東海社長)してきた。同社のリニア技術は既に営業運転に支障ないレベルとの“お墨付き”を得た。東海道新幹線バイパスとして2027年に東京〜名古屋の開業を目指している。★鉄道特集

 ■制服姿のきれいなアテンダントも

 シンボル展示を過ぎると吹き抜けの天井から自然光を取り入れた明るい大空間が広がる。蒸気機関車から300系新幹線までJR東海管内を中心に活躍した39両を展示。大半が2008年11月に閉館した佐久間レールパーク(静岡県浜松市天竜区)から移設したものだ。

 金子利治館長は「『昔はこんな車両でこんなところに旅をしたんだ』と語り合える触れ合いの場にしたい」と話す。そして、国鉄に入ったばかりの頃にメンテナンスしたキハ181形気動車との再会を「脳裏から過ぎ去った思い出がよみがえった」と文学的に表現した。

 家族で訪れることが多い乗り物系の博物館では、体験コーナーやジオラマコーナーも重要なポイントの一つ。

 目玉は、時速500キロで走行するリニアの客室内を再現した体感シミュレーター。速度にあわせて窓の景色が飛ぶように過ぎ、磁気で浮かび上がる感触などをリアルに味わえる。しかし、関係者の一人は「実際の500キロはもっともっと…」とニヤニヤ。衝撃のナマ体験は開業まで待つことになりそうだ。

 ほかにも最新鋭N700系新幹線を含む10台の運転シミュレーションや、リニアの仕組みを科学的に解説した展示も。東海道新幹線の客室乗務員の制服に身を包んだ女性アテンダントたちの案内や説明もお父さんにとっては楽しみの一つか?

 面積221平方メートルに東京から大阪までの沿線の名所を再現したジオラマコーナーは遊び心がたっぷり。2万5000体にもなるフィギュアをじっくり見ていくと…必ず笑みが浮かんでくるはずだ。★鉄道特集

 ■SLもロマンスカーも走らせてチョ

 一般公開に先立ち行われた開館式には、名古屋市の河村たかし市長も出席。「鉄っちゃんじゃないけど、鉄道ファンではあるね」と明かしたように「ブルーリボン賞」「動態保存」など“専門用語”をちりばめてあいさつ。

 「あおなみ線に蒸気機関車と小田急ロマンスカーを走らせてチョ。名鉄に悪いから名鉄の(パノラマカー)も」と“おねだり”し、「東海道新幹線との交差は絶好の撮影スポット」とファンならではの視点も交え、名古屋駅とリニア・鉄道館を結ぶ第三セクター鉄道を“動く列車の博物館”にする構想をぶち上げた。

 「SLは頑張ってる年寄りの象徴」「わしは人生のSL。うまくカーブできんのですよ」と“脱線”しながらも「できるまでしゃべり続ける」と真剣そのものだった。

 鉄っちゃん政治家の“おねだり”といえば、かつて現職大臣が廃止の決まった寝台急行「銀河」の存続を求めたこともあったが、かなわなかった。河村市長の構想が実現すれば世界一の鉄道博物館になることも夢ではないのだが…。★鉄道特集

 

 

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