忘年会シーズン突入で、ついやらかしてしまう“悪酔い・二日酔い”。飲み過ぎの量はアルコールの代謝能力によって個人差がある。とくに注意したいのは、血液検査でγ(ガンマ)GTP値の高い“飲んべえ”の人。宴会前の禁酒をすすめる。
■酒豪ほど失敗多い
肝臓でのアルコール処理速度の目安は、体重1キロにつき1時間で0・1グラム。体重70キロの人がビール大瓶(アルコール度数5%、633ml)1本を30分以内に飲んだ場合、アルコールが抜けるのは3時間半後の計算だ。
ただし、日本人の半数は生まれつきアセトアルデヒド(アルコールの代謝過程で作られる物質)の代謝の弱い遺伝子をもつ人で、顔が赤くなり、悪酔いしやすい。
アルコール障害に詳しい新町クリニック健康管理センター(東京・青梅市)の高木敏所長は、「お酒に弱い人は注意するからまだいい。飲み過ぎるのはお酒に強く、20年以上も毎日のように飲酒を続け、肝機能の低下しているγGTP値の高い人」と忠告する。
■2週間の禁酒で回復
結局、肝機能低下でアルコール代謝が悪ければ、生まれつき酒の弱い人がガンガン酒を飲んでいるのと同じようなもの。
肝臓での代謝が追いつかずアルコールの血中濃度が上昇して泥酔しやすく、アセトアルデヒド濃度も高くなり、二日酔いになりやすい。二日酔いの頭痛、吐き気、めまいなどは、毒性の強いアセトアルデヒドが十分に分解されず引き起こされる。
高木所長は、γGTP値の高い人の3大症状を「疲れやすい、だるい、根気がない」とあげ、こうアドバイスする。
「お酒を2週間止めれば数値が半減し、症状がなくなり、脂肪肝も回復します。2週間止められれば、依存症でないという診断もできる」
2週間のリセット後に飲酒を再開すると、少量でほろ酔い気分を長く楽しめて、二日酔いもなりにくくなるという。
■酒と薬の相性に注意
もうひとつ注意したいのは、γGTP値の高い人(脂肪肝がある)はメタボと相関が高く、生活習慣病の薬を常用している人が多いことだ。
「アルコールはアルコール脱水素酵素と薬物代謝酵素の2本立てで代謝されます。γGTP値の高い人は、しらふのときは薬が効きにくく、飲酒時に薬を一緒に服用するとアルコールの代謝が優先され、薬の分解が妨げられるので効き過ぎてしまい危険です」(高木所長)
高血圧や糖尿病の薬、抗凝固剤のワーファリン、精神安定剤や睡眠薬などを常用している人は、薬剤師に酒との相性を確認しておくことが重要だ。
二日酔い対策について高木所長は「結論をいえば予防しかない。なっても半日でよくなるので、苦しんで反省することが一番の薬です」と話す。
【忘年会の二日酔いを防ぐポイント】
★宴会の2週間前から酒を飲まない(宴会が続く場合は、宴会以外は酒を飲まない)
★飲む前に帰る時間を決めておく
★二日酔いの薬(L−システイン配合など)を飲酒前に服用する
★宴会には何か目的、下心をもって出席する
★宴会では、よくしゃべり、明るく振る舞う(周囲に気をつかわせない)
★必ずツマミを食べながら酒を飲む
★度数の強い酒は水と一緒に飲む
★二次会は、金(参加費)は出しても顔は出さない(行かない)
