民主の「女性宮家」議論に疑問

2011.12.07

 「女性宮家」創設に向けた皇室典範改正の検討が、民主党政権下で唐突に始まった。今回は、国家的にも重要なこの問題について取り上げたい。

 確かに、秋篠宮家のご長男、悠仁さま以外に、若い男性皇族がおられないため、宮内庁などが、皇統の安定的な維持に焦燥感を強めていることは理解できる。自民党政権下でも、ひそかに、どのような案があるかを検討していた。

 ただ、民主党政権の議論の進め方には、大きな疑問を感じざるを得ない。

 かつて国民的議論となり、各方面の批判を浴びた「女系天皇」とは意図的に切り離して、「女性宮家」を検討している印象を演出しているように見えるからだ。

 まず、女性宮が皇位継承権を持つかが重要だ。皇位継承権とは、皇位に就く法的権限だからである。そして、「女性宮家」が世襲されるかどうかも大切。世襲されるとすれば、女性宮のお子様は男子であれ女子であれ「女系」の皇族となり、この方々が皇位継承権を持つならば、それは「女系天皇」容認を意味する。

 皇位は125代の現天皇陛下まで、例外なく父方の系統に天皇をもつ男系によって継承されてきた。「女性宮家」の創設は、皇位継承原理を大きく変えることになりかねない。私は「女性宮家」創設に反対である。

 皇室は長い歴史と伝統によって、国民の精神のよりどころとして存在し、尊崇と敬愛を集めてきた。その伝統を安易に変えることは、厳に慎まなければならない。失われた伝統は二度と取り戻すことはできない。

 「男系」を維持していくために、戦後、皇籍を離脱された旧11宮家の中から、希望する方々の皇籍復帰を検討してみてはどうか。または、国民に広く親しまれている現宮家に、旧宮家から男系男子の養子を受け入れ、宮家を継承されていくことも可能である。一般人として生活されてきたことへの批判があるなら、初代は皇位継承権を持たれず、そのお子様からお持ちになるという考えもある。

 こうした選択肢を一切考慮せず、民主党政権がいきなり「女性宮家」創設を検討していることは、極めて恐ろしいことだ。そもそも、民主党は皇室の長い歴史や伝統に対する問題意識が欠落しており、皇室に対する敬意も感じられない。

 一川保夫防衛相は先日、宮中晩さん会を欠席して、民主党議員の政治資金パーティーに出席した際、「こちらの方が大切だ」と豪語した。中井洽衆院予算委員長は昨年、議会開設120年記念式典で、来賓の秋篠宮ご夫妻に対して、「早く座れよ」と暴言を吐いた。菅直人前首相は、副総理時代の一昨年11月、政府主催の天皇陛下ご在位20年記念式典で、天皇陛下のご臨席の中で居眠りをしていた。

 繰り返すが、皇室の伝統を安易に変えることは許されることではない。(自民党衆院議員)

 

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