2月中旬ごろからスギ花粉の飛散が始まる。つら〜い、くしゃみ、鼻水、鼻づまり。薬の使用が面倒ならば、レーザー治療(手術)の選択肢がある。術後、効果が出る状態になるまで2、3週間は必要。受けるなら1月中には済ませておきたい。
■痛み・出血なく10分
最も普及しているレーザー治療は“炭酸ガスレーザー”を鼻粘膜に照射する方法だ。
症状が出にくくなる理由について、レーザー治療に詳しい大阪歯科大学附属病院・耳鼻咽喉科の久保伸夫准教授は、「レーザーで粘膜の表面だけを蒸散(水分と一緒に蒸発)させて、ひと皮むいた状態にする。すると2、3週間たつと下から固い細胞が出てきて、花粉が付着しても反応しにくくなるのです」と説明する。
表面麻酔でレーザーの照射時間は両側で10分ほど。痛みや出血はなく、外来で簡単にできるという。治療費は保険適用で手術自体は5400円(3割負担)だ。
■中等症なら80%有効
では、どのようなスギ花粉症の人におススメなのか。久保准教授は「レーザー治療は花粉の飛散量の影響を受けやすい。昨年より少なめの予想の今年はかなり効果が期待できる」とこう話す。
「レーザー治療は花粉症の薬が効く人が薬の服用をしなくて済む治療法。薬の効かない重症には効果が少ない。つまり、忙しくて通院できない、薬を飲むのがわずらわしい人や薬の眠気(副作用)に困っている人などに向いています」
レーザー治療の有効率は中等症までなら80%と高いが、重症例では40%にとどまるという。比較的症状が軽い人がファーストチョイスとして検討したい治療法だ。
■効果持続は約3カ月
レーザー治療は、もともとダニやハウスダストを抗原とする“通年性アレルギー性鼻炎”に対する治療法として行われてきたもので、効果の持続期間は通年性アレルギー性鼻炎であれば平均2年ほど。だが、抗原性の強いスギやヒノキなどの花粉症に対してはワンシーズンが目安だ。
久保准教授は「粘膜は3カ月ぐらいで徐々に元に戻ってくるので、秋の花粉症の時期には効果が落ちる」と指摘する。
効果は手術後の粘膜の状態が落ち着いてから約3カ月なので、飛散時期に合わせて前年12月から1月中ぐらいまでに手術を受けておくことがスギ花粉症に対するレーザー治療のポイントだ。
スギ花粉症対策について、久保准教授は「実際はマスクを着けている屋外よりも、室内に入り込んで床に落ちている花粉の方が問題。多くの人は室内で吸い込んでいるので、とくに寝室の掃除を念入りにすることが重要」とアドバイスする。
■花粉症に対するレーザー治療の特徴
《メリット》
★シーズン中の通院の必要がなくなる
★薬を飲まなくていい可能性が高い
★とくに鼻づまりに有効性が高い
《デメリット》
★重症例では有効性が不十分
★ワンシーズンしか効果が持続しない
★花粉の飛散量が多いと効果が落ちる
