全国のパイプスモーカーが憧れる「銀座菊水」

2013.05.09


銀座で創業110年の銀座菊水【拡大】

 終戦直後の1945年8月30日、厚木飛行場に降り立つダグラス・マッカーサーの有名な写真がある。

 「タラップを素早く踏み降りたマッカーサーは、カメラマンの要望でもう一度タラップに上がり、コーンパイプを手にポーズをとったそうです」と説明してくれたのは、煙草、喫煙具の専門店・銀座菊水の4代目社長、内藤裕幸さんだ。

 銀座に店を構えたのが1903(明治36)年。同じ場所で110年間営み続けるのは容易ではない。「値段が安く買いやすい商品にポイントを置くのではなく、本当にいいものを扱うようにと先代から教えられています」と内藤さんは約15坪の伝統を守る。

 作曲家の團伊玖磨や、オーサーと呼ばれるチェリーウッドのパイプを愛用していた開高健は常連だった。シルベスター・スタローンは来日の折、アンティークのメシャムパイプを購入するために菊水を訪れている。

 パイプの品ぞろえには定評があり「常時、1200本くらいは用意してあります。恐らく日本一ではないかと」と、菊水に勤めて35年になる小林弘行さんが遠慮がちに語る。

 特にこだわりがあるのは、「THE WHITE SPOT」といわれるマウスピースにある白い点が特徴のダンヒル製のパイプ。

 毎年秋に英国ロンドン郊外にあるダンヒルの工場を訪れ、仕入れるパイプを1本1本選ぶのは小林さんの仕事である。ダンヒルのパイプはブライヤーという潅木(かんぼく)の根でできている。厳選されたその原木から約90の製造工程を経て1本が完成する。

 昨年は、数千本の中から、150本をセレクトした。これは「菊水チェック」と世間でささやかれているが、小林さんは「倉庫に閉じ籠もり、お客さまのお顔を思い浮かべながら選んでいます」といたって謙虚である。形状、サイズ、色合いなど全国各地の顧客の好みを熟知した小林さんならではの選定眼である。

 写真(下)は、木目が美しいダンヒルの「ザホワイトスポット アンバールート4103」で10万1850円。

 パイプは燻(くゆ)らせる。1回2・5グラムほどの葉を詰めて、30〜40分ゆっくり香りと味を愉しむ――大人の嗜好品である。   (谷口和巳)

 ◆「銀座菊水」 東京都中央区銀座6の9の6 (電)03・3571・0010

 ■谷口和巳(たにぐち・かずみ)団塊世代の編集者。4つの出版社を転籍、19の雑誌に携わり、編集長として4誌を創刊。団塊世代向け月刊誌『ゴーギャン』元編集長。『女優森光子 大正・昭和・平成−八十八年激動の軌跡−』『帝国ホテルの流儀』(共に集英社)などの書籍も手掛ける。

 

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