ゲーム依存症は“病気”です あなたの子供は大丈夫?

2013.06.23

 子供がゲームばかりで勉強をしない…。子を持つ者同士が顔を合わせるとあいさつ代わりに交わすこの問題を、医学的に検証し、場合によっては「治療」を用いて離脱させようと訴える本が出版された。日本の将来を担う子供たちを、ゲームの魔の手から守る秘策とは−。

 「昔の子供の遊びだって楽しかったけれど、そのうち飽きて自然にやめるようになっていた。ところが現代のゲームは、飽きないように設計されている。大人ならまだしも、子供が一度のめり込んだら、自分で抜け出すことは不可能です」

 そう語るのは出版社「データハウス」社長の鵜野義嗣氏。最近発売された『子供をゲーム依存症から救う精神科医の治療法』(岩崎正人著)の発行人だ。

 世に氾濫するテレビゲームや携帯型ゲーム機への子供たちの依存度は計り知れない。大人でもハマってしまう“快楽発生機”に、子供自身の意思で距離を置くことなど、無理な話なのだ。

 しかし、親としても「どう介入していいのかわからない」というのが本音だろう。強く出ればふてくされるだけ。「学校でみんながやっている」「ゲームをしないと仲間外れになる」と言われれば、つい許してしまう親も少なくない。

 そこで本書では、ゲームへの依存度を8段階に分け(表)、段階に応じた対策を講じることで、子供をゲームの束縛から解放させる取り組みが紹介されている。

 表でいうレベル1以下であれば、静観もしくはウオッチングで大丈夫だが、それを超えると親の介入が必要になる。レベル4で「プレー時間の規制などのルール作り」。レベル5に至れば子供をゲームから遠ざけ、レベル6の場合は精神科医への相談を勧めている。

 「親には、ゲームにのめり込むわが子を心配する半面、依存症とは認めたくない意識もある。そこで、子供の現状から『今、うちの子はどのレベルなのか』を客観的に把握することが重要になってきます」(同社編集部・山本圭佑氏)

 ちなみにレベル6と診断されて精神科を受診すると、薬物依存やアルコール依存に近い治療が行われる。薬物療法や集団療法、認知行動療法など、きわめて専門性の高い精神科医療の力を借りなければならないほど、ゲーム依存症が重篤な“病気”であることを、親は認識する必要がある。

 ちなみにゲーム依存症を放置した場合、その子供はどんな大人になっていくのか。

 コミュニケーションスキルの低さから社会人としての意思の疎通が図りにくくなり、相手の言葉を誤解する、曖昧な表現を理解できない、空気が読めない、すぐに反発する、考えていることを言葉で表現できない、謝れない、相手の立場で考えることができない−等々。当然、周囲となじめないので社会から孤立し、引きこもりへと突き進んでいくことになる。

 「私はゲームを完全否定するわけではありません。定年を過ぎた高齢者の、ボケ防止に役立つならまったく問題ないでしょう。しかし、将来のある子供たちが、自己責任でゲームと接するのは無理がある。親がきちんと対処し、健全な成長をサポートすべきです」(前出・鵜野氏)

 ゲーム大国ニッポンに一石を投じる1冊だ。 (竹中秀二)

■「子供のゲーム依存度」
・00段階 ゲームに興味を持たない
・0段階 ゲームを欲しがるが持ってはいない
・1段階 時々プレーする
・2段階 週に2−3回プレーする
・3段階 毎日1時間プレーする
・4段階 毎日2時間のプレー+不規則な生活
・5段階 毎日3−4時間のプレー+いつもゲームのことを考えている
・6段階 ゲームをしないと落ち着かない+不登校、引きこもりなど

 

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