パナマ帽で気分はアラン・ドロン 「銀座トラヤ帽子店」

2013.06.27


ハット【拡大】

 映画『ボルサリーノ』でパナマを被ったジャン=ポール・ベルモントとアラン・ドロンの2人が実に格好よかった。

 これはギャング映画だが、服飾評論家の出石尚三さんは「帽子を被ると、人はその立ち振る舞いまで変わる」といい、ハットは「男を紳士にする特効薬」といい切る。

 1857年、北イタリアのアレッサンドリアに23歳の若さで帽子工場を設立したのが、ジュセッペ・ボルサリーノ。日本はまだ江戸幕府第13代将軍徳川家定の時代である。やがてボルサリーノの帽子は、英国ロイヤルファミリーを顧客に迎えるなど世界的なブランドに成長、知名度を高めた。

 トラヤ帽子店は、1917(大正6)年、神田神保町に開店。銀座に出店したのは30(昭和5)年である。ボルサリーノをはじめ、1773年創業という英国のクリスティーズ、1838年設立の米国最大のハット・メーカーであるノックスなど世界のブランドを扱う、今年で創業96年を迎えた帽子専門店である。

 夏は、なんと言ってもパナマ帽。南米エクアドルの中央海岸に近いモンテクリスティという小さな街は、天然のヤシ科の草でパナマ・ボディーの最高級品の産地で知られる。地元では「バハ・トキーリャ」と呼ばれ、日本名は「トキヤ草」。これを湿度の高くなる夜に、もう数人しかいないといわれる熟練職人の手により丹念に編まれる。1本の細い繊維には表と裏があり、その表面を出しながらつば先まできめ細かく均一に編み込むこと約3カ月。まるで1枚の布のような滑らかな仕上がりは感動ものである。

 スーツやジャケットはもとより、Tシャツなどラフなスタイルにも合うのが、夏のパナマ。

 「つば先が眉を隠す程度のやや深めに被り、帽子全体を左右どちらかに少し傾け、片方の眉が見えるくらいがベター。これがハットの被り方です」と店長の大滝雄二朗さん(60)。顔が引き締まって精悍(せいかん)に見えるから不思議だ。

 コンパクトに丸められるトラヤ・オリジナルのカギ編みローラー・パナマは2万1000円から。モンテクリスティ産最上質の本パナマで編み上げたボルサリーノのパナマ49万3500円は、もはや芸術品である。(谷口和巳)

 ◆銀座トラヤ帽子店 東京都中央区銀座2の6の5(電)03・3535・5201

 ■谷口和巳(たにぐち・かずみ) 団塊世代の編集者。4つの出版社を転籍、19の雑誌に携わり、編集長として4誌を創刊。団塊世代向け月刊誌『ゴーギャン』元編集長。『女優森光子 大正・昭和・平成−八十八年激動の軌跡−』『帝国ホテルの流儀』(共に集英社)などの書籍も手掛ける。

 

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