キャンプストア、学生の能力・適性を見定める機会

2013.08.06


海水浴客がどっと繰り出している【拡大】

 世界遺産・富士山の話題が多い今夏だが、一方で海の話題はいま一つ。かつては夏の海といえば、大学の広告研究会などが運営する「キャンプストア」がよくマスコミにも取り上げられた。

 1929(昭和4)年からはじまったもので、その前年に湘南の逗子や大阪の浜寺など全国の有名な海水浴場で森永製菓がはじめた「キャンプストア」の学生版として行われた。最初の年は、千葉県の大原小浜海岸と一ノ宮海岸でそれぞれ立教大学商工研究会と法政大学新聞研究会が実施した。

 以降次第に参加校が増え、37(昭和12)年には、11大学が14カ所の海水浴場で営業するまでになったが、戦争により41(昭和16)年に中断。その後54(昭和29)年に再開する。森永側が学生に提供したのは店舗の建物や営業資金の一部、商品知識や調理衛生、接客業務さらに経理面まで指導した。

 一方、学生は、仕入れや販売、店舗装飾、宣伝、イベントなどの運営を担った。ラジオ体操や子供の早朝学習会、すいか割りといったイベントも行ったが、学生が経営する海の家ということで海水浴客だけでなく、地元の人々にも支持された。

 各店舗では売り上げを競うだけでなく、学生バンドを動員したり、女子大生の参加など華々しい話題を振りまいた。森永製菓が支援した学生キャンプストアは66(昭和41)年まで続いた。その後、各大学は自力で運営、中止した大学もあるが慶応大学や立教大学の広告研究会では今年も営業している。 (広告・イベント研究家 熊野卓司)

 ■『仕事のヒント』

 かつて1960〜70年代の学生運動が盛んだった頃には「産学協同」という言葉は癒着に繋がるとした風潮があり、敬遠されていた。ところがキャンプストアはまさに企業と学生のコラボのはしり、森永製菓のPR戦略と学生の双方の目指す方向が一致、新しい社会学習、マーケティングや広告実務の体験の場となった。

 最近では「産学官連携」ということが唱えられるようになってきた。大学の中には、積極的に商店街との接触を持ち地域の活性化に取り組む例もある。企業のリクルート戦略のひとつとして、学生に実務体験をさせながら能力や適性をみさだめる場を設けてみるのもおもしろい。

 

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