和の文化を伝承する子供和食器専門店「小夏」

2013.08.22

 食事に使う道具で世界を区分すると、まず手でものを食べる手食文化圏(アフリカ、中近東など)が約40%と意外に多く、ナイフとフォークを使うカトラリー文化圏(ヨーロッパ、アメリカなど)が約30%、そして箸を使う箸食文化圏(日本、中国、韓国、タイなど)は約30%だという。

 箸食文化圏でも箸と匙(さじ)をセットで使うのが大半で、箸のみの食事法は日本独自の様式であり、日本はただ一つの完全箸食文化の国である。加えて、他の国々では箸は共用するものであり、自分専用の箸を決めて食事するのは日本だけである。

 普段、何気なく使っているお箸だが、2本の棒を片手で操り、機能的には摘む、挟む、支える、運ぶ、切る、裂く、ほぐす、はがす、すくう、混ぜる、くるむ、乗せる、押さえる、分けるなど、実に多彩な働きを持っている。

 日本人は、この2本の棒を幼い頃から食事に使い、微妙な指の使い方や力加減を習得する。こうした繊細な指使いが手先の器用さを培い、世界的にも評価の高い日本の技術力を生み出してきた。

 生まれて100日目にお食い初めではじめて箸を使い、葬儀ではお骨を箸で拾い、茶碗(ちゃわん)にご飯を盛って立て箸をする。日本人は、箸に始まり、箸で終わる唯一の民族なのである。

 なのに、お箸を正しく持てない日本人が増えてきている。

 1999(平成11)年にオープンしたお箸専門店「銀座夏野」の6階にある子供のための和食器専門店「小夏」は、小さな時分からお箸の持ち方を教え、プラスチックではなく壊れる陶器のお茶碗や漆器での食事を通して「モノを大切にする心や本物の和文化を身につけて欲しい」というコンセプトの店である。

 「“触っちゃダメ”というお母さんより、2〜3歳でも“これがいい”という子供の意思表示を大切にしてあげたい」と店長の佐藤敦子さんはいう。

 桜の木で作られた最小13センチの職人箸(945円〜)をはじめ、1000種類以上の子供用お箸がそろっている。楽しい絵入りの有田焼の茶碗(1050円〜)、山中塗のコップ(3360円〜)など子供用和食器が並ぶ店内では、誰もが童心を取り戻す。 (谷口和巳)

 ◆銀座小夏 東京都中央区銀座6の7の4銀座タカハシビル6F(電)03・3574・5566

 ■谷口和巳(たにぐち・かずみ) 団塊世代の編集者。4つの出版社を転籍、19の雑誌に携わり、編集長として4誌を創刊。団塊世代向け月刊誌『ゴーギャン』元編集長。『女優森光子 大正・昭和・平成−八十八年激動の軌跡−』『帝国ホテルの流儀』(共に集英社)などの書籍も手掛ける。

 

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