男のお料理教室を開催したり、1日1食で痩せたりしてから、ダイエットや食に関する取材や相談をたくさん受ける、日本イケダン協会会長の私。
その中で『成人男性の1日に必要なカロリー摂取量は、〇〇カロリーですが、1食で足りるのですか』とか『やはり赤・黄・緑の物を全て食べる色のバランスも考えておられますか』なんて、あまりに多くの方に当たり前のように聞かれるので、『そもそもその基準、どこのどなたさまが決めたことかご存じなのですか』と逆に質問してみるのですが、答えられる方は皆無。
まぁ、かく言う私も、お医者さまでも管理栄養士先生でもないので、モチのロン『そんなモン、知らんがな』です。だから毎回【またそれかいな、どうせ誰が決めたか分からん話やねんから、信じ込まんでええやん】と、私の気持ちは萎(な)えてしまい…。
他にも『食べる量もスポーツする頻度も同じなのですが、なぜか年々体重が増えてしまって』って、10代20代じゃあるまいし、年々老化とともに基礎代謝が落ちていくのは当たり前。基礎代謝が落ちているから、食事の量・運動量が一緒であれば体重が増えるのも当たり前やがなと。
そして年々強く感じることですが、これから秋を迎え、暖かくなる春までは、少しせきこんだら『もしかしてマイコプラズマ?』、少し風邪で熱っぽかったら『インフルエンザだよ、それ』なんて、もう国民総お医者さま気分。免許もないのに、勝手に病名付けちゃうわで、多くの方が少しの身体の不具合でさえ病名がつかないと不安になる季節。
人が造り出した、PC(パソコン)や自動車でも原因不明の不具合は発生するのですから、人の手で作り出せない、人間自身の身体に、原因不明や老化での不具合はあって当然。
そして人には個人差や個体差、いわゆる【個性】があって然り(しかり)なのに、そこは全く考えないで、健康診断の結果が少しでも悪ければとにかく不安になっちゃう。知らず知らずのうちに誰が決めたのか分からない範囲から『はみ出すことが怖い』。何事においても『数字が“良く”ないと不安』なんて…。
ああ、健康面や栄養面でも【没個性時代】の到来なのか。しかし、イケダンたるもの、どんな場面でも『少しぐらいはみ出す勇気』、はみ出したもの、物事の結果を『受け入れる度量』、この2つはなくしたくないもの。数値の呪縛にとらわれず、どんなことが起ころうが、どんな結果であろうが、いつ何どきでも【慌てず騒がず】妻や家族、自分自身の【全てを受け入れ】、読者諸兄もぜひご一緒にますますイケダン道を邁進(まいしん)致しまSHOW。
■那須 顯一 1970年生まれ。会社経営の傍ら『日本を元気にしたい』と2009年に日本イケダン協会を設立。同協会会長としてセミナー講師など、多方面で活躍中。