リニアは山の多い日本では不向き

2013.09.29

 JR東海は18日、2027年に品川−名古屋間での開業を目指すリニア中央新幹線のルートや駅の位置を発表した。中間駅は神奈川県相模原市のJR橋本駅付近、山梨県甲府市大津町付近、長野県飯田市上郷飯沼付近、岐阜県中津川市千旦林(せんだんばやし)付近の4カ所。

 このニュース、何かちょっと「お笑い」のように思える。環境問題などをクリアして、リニアの通過を許してもらうため、「あなたの県には必ず駅を1つつくります」と駅をエサにしている感じなのだ。

 しかし、発表はしていないが、JR東海は品川から名古屋までノンストップの便を多数計画しているはずだ。中間駅が予定される地域の人たちは、リニアが頻繁に停車するという前提で考えているかもしれないが、駅はつくったものの、新幹線の群馬・安中榛名駅のように停車する本数が限られるケースも出てくるだろう。

 自治体によっては、「だったら止まらなくてもいい。その代わり、地元負担もしない」と言いたくなってもおかしくない。

 このリニア中央新幹線は時速約500キロで走行し、ルートも直線に近い。品川−名古屋間は、これまでの「のぞみ」の1時間30分が40分に短縮されるというが、品川駅は地下40メートル、名古屋駅は同30メートルのところにつくられるので、地上の在来線との乗り継ぎには20分ぐらいかかりそうだ。

 両駅で20分ずつ余計にかかるとなると、それで1時間20分。のぞみの1時間30分とそれほど変わらない。JR東海では、品川、名古屋駅とも東海道新幹線のホーム直下につくり、3〜9分で乗り換えられるようにしたいと言ってはいるが…。

 また、全体の86%は地下やトンネル内を走行するというが、トンネルから出たと思っても、そこには騒音対策の壁しかない。トンネルと変わらない。そういう殺風景なことがわかっているから、料金も「のぞみ」の運賃に700円上乗せする程度に抑えたのだろうか。

 実は私は、かつてリニアの損得計算をしたことがある。結論からいうと、リニアは山の多い日本には向いていない。日本で小規模の実績を作ってから、人口は多いが山が少ない国に輸出するのがいいと思う。

 時速500キロで走行するリニアは、全長500〜800キロの路線に向いている。それより短い名古屋は、やはり在来新幹線のほうがいい。逆に1000キロ以上になると飛行機のほうが早い。リニアの最適ルートに適合するところは世界的に見ても極めて限られているのだ。

 その意味でいうと、東京から最適な距離は名古屋ではなく、大阪から岡山、広島あたりまでだろう。だが、大阪までの開業は2045年の予定。JR東海の幹部の人々が生きている間には開通しないということか。

 ■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

 

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