健康のためにサラダを食べましょう、とよくいいますね。1日の野菜摂取の目標値は、350グラムですので、サラダに限らず1日3回の食事、毎食野菜を食べてほしいもの。とはいえ、「ランチにサラダをつけても満足度がいまいち」という男性は多いようです。
今回は大切なポイントをお伝えします。それは「サラダは食事の最初に食べる」ということ。
食事をするときに、サラダなど野菜を最初に食べる食事法は、最近「べジ・ファースト」と呼ばれ、注目されています。べジファーストのメリットは3つ挙げられます。
(1)噛みごたえのある野菜をしっかりと噛んで食べることで、脳の満腹中枢が刺激され、おなかが落ち着き、食べ過ぎや早食いを防ぐこと。
(2)野菜は食物繊維が豊富。食物繊維は胃や小腸で、余分な脂質の吸収を妨げ、糖質の吸収をゆるやかにしてくれること。
(3)胃に入った食物繊維は、食事の間に水分を含んでふくらみ、満足度がさらにアップすること。
では、どんなサラダを選んだらいいのでしょうか。コンビニなどでは「○○サラダ」と名前がついた商品が何種類も置かれています。
「サラダ(野菜)を食べてください」というと、「マカロニサラダ」「春雨サラダ」「パスタサラダ」「ポテトサラダ」などをセレクトする方がいますが、これらは野菜ではありません。サラダというよりも実はごはんの仲間です。
マカロニ、パスタは小麦、春雨はでんぷん、イモ類は炭水化物が多い食材。こうした「サラダ」は炭水化物とマヨネーズの組み合わせになってしまい、残念ながら野菜効果は期待できません。
そこでお薦めしたいサラダは、野菜や海草で構成されているもの。グリーンサラダや、ニンジンやタマネギなど噛みごたえのある野菜がしっかり入っているものです。
カラフルな緑黄色野菜がたくさんのったサラダは、βカロテンやビタミンCが豊富、抗酸化作用があり、生活習慣病の予防にも効果的です。海藻サラダは、低カロリーで食物繊維が豊富なので、コレステロールを改善してくれます。
野菜や海藻は、カリウムが豊富なので、高血圧の予防やむくみの改善にも効果的です。
ローソンなどには「摂取サラダ ビタミンC」「摂取サラダ 食物繊維」「摂取サラダ 鉄」などと特定の栄養素に特化したサラダがあります。さらに「一日の1/3の野菜が摂れる20品目サラダ」といった野菜たっぷりのものも。
ちなみに、サラダの次は、温かい汁物やお茶を飲んでから、おかずへ移ります。温かい汁物は、満腹感をさらにアップさせます。
食事をするときに、ごはんから食べていた人は、ぜひ「ベジ・ファースト」を実践してみてくださいね。満足度の違いを実感できるはずです。
■浅野まみこ(あさの・まみこ) 1975年生まれ。管理栄養士。食と健康のコンサルティング会社「エビータ」代表取締役。1万8000件以上の栄養相談の経験を元に「『コンビニ食・外食』で健康になる方法」(草思社)を著し、企業のコンサルティング、テレビ出演、講演活動を行う。