リハビリはばむ認知症進行 母のドミノ骨折その後

★母のドミノ骨折その後(1)

2013.12.01

 一昨年暮れ、80代後半の母が太ももの付け根を骨折、寝たきりになってしまった。ロコモ→脊椎圧迫骨折→大腿(だいたい)骨骨折とドミノ骨折の末、リハビリに失敗したからである。超高齢社会となった日本では、誰にでも起こりかねないことだ。老親を抱える人の参考のために、母の経過をたどってみたい。反面教師として読んでほしい。

 【1日でも早く歩かせられるかがカギ】

 自宅の畳の上で転倒し骨折した母は、救急車で近くの救急病院に運びこまれ、人工骨頭置換術という手術を受けた。大腿骨の骨折部分を取り去り、金属の骨頭に起き換える。高齢にも関わらずこの手術を行うのは、骨がくっつくのを待つより早く身体を動かせるようになるからだ。それだけリハビリに早く取り組めると医師に説明された。高齢者は1日でも長く寝ていると、それだけ動けなくなる。専門医は「1週間寝たきりで20%、5週間で96%筋肉が落ちてしまう」という。

 母の場合も手術後数日で病院の廊下のバーを伝い歩きするリハビリが始まった。だが、うまくいかなかった。リハビリの障害は母の認知症である。入院前の介護保険の介護度は「要介護2」。ところが、入院すると、認知症が一気に進んだ。入院当初から自分が足を折って動けないということすら理解できなかった。数日後、看護師さんから「一晩中起きて話しています。あまりひどい時は電話するので来てもらってもいいですか」と言われた。「人が変わったよう」に点滴をむしり取ったりもしたようだ。私の顔を見ると、「おばあちゃんは元気?」と聞く。もう30年以上前に亡くなっているのに。

 時々、理学療法士がやってきて、リハビリのために母を立たせたりする。だが、貧血もあるので転倒すると危ないからリハビリは進まないと告げられた。

 本人は食欲もあり、自分で勝手にベッドや車いすから立ち上がろうとするようになった。危なくて目が離せないので、車いすにベルトで固定するようになった。身体拘束の始まりである。私も同意したが、結果からみるとこれがリハビリを難しくした。ケアマネの提案で介護保険の介護度変更の申請をすると、「要介護3」の判定が下りた。 (木村進)

 ■ロコモ ロコモティブシンドローム=運動器症候群の略。筋肉や骨などの衰えで歩行などに支障を生じ要介護リスクが高まる。予備軍含め4700万人が危機にある。

 

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