地場産業の振興 「道の駅」に併設し集客面で相乗効果

2013.12.12

 幹線道路沿いなどに設けられている「道の駅」。来訪者数は年間延べ5億人以上にもなり、地域活性化に一役買っている。

 国土交通省が所管し、休憩所(無料駐車場、トイレ)や道路・地域の情報を提供する施設で、今年10月には全国1014カ所となった。通常、自治体が設置し、第三セクターや民間企業などが運営する。地場の新鮮な農産物、海産物などの直売所やレストランを併設することで、地場産業の振興を図る道の駅も多い。

 その道の駅の隣接地や近接地に、市民農園や体験農園を整備するケースが目立っている。思川(栃木県小山市)、はなぞの(埼玉県深谷市)、福光(富山県南砺市)、こまつ木場潟(石川県小松市)、川辺やすらぎの郷(鹿児島県川辺町)など全国に広がり、増加傾向にある。「道の駅とのにぎわいの相乗効果を図る」ことで共通している。

 筆者の出身地である長野県松本市郊外の農業地帯にも2009年8月、「今井恵みの里」という道の駅がオープンした。ブドウやリンゴ、野菜などの体験農場を併設しており、年間の来訪者数は30万人にも上る。12年春には近接地に市民農園も整備し開設した。1区画は100平方メートルと広く、年間3000円という低料金で利用できる。18区画のすべてが利用されており、道の駅同様、人気の施設となっている。

 このため、今井恵みの里では、遊休農地を利用し、新たな市民農園を開設することも計画している。駅長の犬飼公紀さんは「収穫体験ができる体験農場や市民農園は、ともに道の駅の集客対策の一環として併設しているものです。固定客を増やすという狙いがありますが、来訪者数は予想を超え、地域振興や活性化に大いに役立っています」と話す。

 かつては田畑だけだった農業地帯に道の駅が誕生し、連日多くの来訪者でにぎわいを見せている。そんな光景などまったく想像すらできなかった。いまでは、帰省の折に必ず訪れる施設で、直売所の地場産品を購入するのも楽しみの1つとなった。

 八ッ場ダムの完成で水没する地区の生活再建事業として今年4月にオープンした道の駅八ッ場ふるさと館(群馬県吾妻郡長野原町)。同館では宿泊施設付き市民農園、いわゆるクラインガルテンを整備しており、14年4月の開業を目指している。全国に広がる道の駅とともに、市民農園も増えることになりそうだ。

 ■川上清市(かわかみ・せいいち) フリージャーナリスト。1954年、長野県松本市生まれ。学習院大法学部卒。日本工業新聞などの記者を経て、88年に独立。著書に『自然・食・人とふれあう市民農園ガイド』(産学社)など。

 

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