【しっかりして!永田町】「憲法改正して真の独立国に」 忘れてはならない自民党の使命

★(5)

2013.12.15

 安倍晋三総裁が率いる自民党の原点は何か。終戦から10年後の1955年に結党された自民党は、東西冷戦の中、自由と民主主義、議会制民主政治の尊重、階級支配や独裁政治の否定−を基本姿勢として結党された。

 そして、「第一、国民道義の確立と教育の改革」「第二、政官界の刷新」「第三、経済自立の達成」「第四、福祉社会の建設」「第五、平和外交の積極的展開」「第六、現行憲法の自主的改正を始めとする独立体制の整備」を、党の「政綱」と定めた。

 当時書かれた「党の使命」には、「占領下強調された民主主義、自由主義は新しい日本の指導理念として尊重し擁護すべきである」としながら、「初期の占領政策の方向が、主としてわが国の弱体化に置かれていたため、憲法を始め教育制度その他の諸制度の改革に当たり、不当に国家観念と愛国心を抑圧し、また国権を過度に分裂弱化させたものが少なくない」と記している。

 つまり、「独立体制の整備」のために、「憲法の自主的改正」を最も重要な基本政策としたことは明らかである。

 結党から1カ月後、自民党は党の憲法調査会を発足させ、わずか4カ月後に「中間報告」をまとめた。政府も56年に「憲法調査会」の設置を決めたが、当時の政治状況で57年7月にようやく発足した。2年間で総会は131回開かれ、延べ48人の学識経験者を参考人として招致し、56回の公聴会を開催、487人の公述人が加わった。

 しかし、報告書を受け取った池田勇人内閣は、「所得倍増計画」の中で、憲法改正に向けての具体的な行動には無関心であった。

 経済的に豊かになった日本は、「独立体制の整備」の必要性、つまり、いまだ独立国の体をなしていないことなどすっかり忘れ、憲法が政治で真剣に論じられることもなかった。ようやく2000年に、国会に「憲法調査会」が置かれ、05年に報告書をまとめ、その後、「憲法審査会」に引き継がれたが、結論は出ていない。

 自民党は03年、小泉純一郎首相の「立党50年に自主憲法制定のための日本国憲法草案をまとめる」という大号令で、05年に草案を発表。そして、新しい党綱領を定め、その1番目に「新しい憲法の制定」をおいた。10年には「平成22年綱領」として、基本政策の6番目に「日本らしい日本の姿を示し、世界に貢献できる新憲法の制定を目指す」とした。

 途中、数年間の野党時代はあるが、半世紀以上も自民党が政権を担っている。それなのにどうして、憲法改正ができないのか。新憲法の制定が実現する日は、本当に来るのだろうか。

 先人たちが「憲法改正を実現しなければ、真の独立国とはならない」と決意し、立党した自民党の使命を、安倍総裁以下、所属議員どう考えているのか。しっかりしてもらいたい。 =おわり

 ■細川珠生(ほそかわ・たまお) 政治ジャーナリスト。1968年、東京都生まれ。聖心女子大学卒業後、米ペパーダイン大学政治学部に留学。帰国後、国政や地方行政などを取材。政治評論家の細川隆一郎氏は父、細川隆元氏は大叔父。熊本藩主・細川忠興の末裔。著書に「自治体の挑戦」(学陽書房)、「政治家になるには」(ぺりかん社)

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!