大噴火は今世紀5〜6回起きる? 休止期間が長かった後は大噴火に…

2013.12.27


昭和火口で爆発的噴火が起きた桜島=8月18日(鹿児島地方気象台提供)【拡大】

 今年は火山の当たり年だと思っている人も多いだろう。11月から噴火を続けている西之島の新島も、すでに8月に今年だけの通算で500回目の噴火をした鹿児島の桜島も、大きなニュースになったからである。

 だが、これは間違いだ。日本の火山はこのところ「静かすぎる」のである。

 19世紀まで「大噴火」がそれぞれの世紀に4回以上起きていた。ここで大噴火とは東京ドームの250杯分、3億立方メートル以上の火山灰や溶岩が出てきた噴火をいう。

 ところが20世紀に入ってからは、大噴火は1914年の桜島の大正噴火と、29年の北海道駒ケ岳の噴火の2回だけだった。それ以後、現在まで100年近くは大噴火はゼロなのである。

 海溝型地震では、同じような地震が「忘れた頃」に繰り返すのと違って、火山噴火の繰り返しは時間も、噴火の規模や様式もまちまちだ。その意味では、ある火山が100年以上静かなことは世界的にもそれほど珍しいことではない。

 大地震はプレートの動きに応じてたまっていくゆがみの解放によって起きる。いわば原因と結果が直接に結びついている。

 噴火はプレートが動くことによってマグマは地下で次々に生まれている。しかし、上がってくるまでにいくつかの「マグマだまり」を作ったり、マグマの成分が変化していったりする複雑な過程をたどる。それゆえ海溝型地震のように単純な繰り返しがあるわけではないのである。

 実は数千年以上という長い期間で見ると、「カルデラ噴火」というとてつもなく大規模な噴火が日本を何回も襲った。たとえば7300年前の鬼界(きかい)カルデラ噴火だ。放出されたマグマはなんと東京ドーム10万杯分にもなった。鬼界カルデラのある硫黄島(いおうじま)は薩摩半島の沖合約50キロにあるが、火山灰は関西では20センチ、関東地方でさえ10センチも降り積もった。

 ところで恐ろしい統計がある。米国の研究者が最近200年間に起きた世界の爆発的な大噴火15例を調べたら、そのうち11例もがそれぞれの火山で「史上初」の噴火だったことである。

 ここで「史上初」というのには注釈がいる。噴火のように世界のあちこちで起きる事件では、日本は別にして、ヨーロッパ人が入りこんでからしか正確には記録されていないことが多い。つまり大航海時代以来の「史上初」ということなのだ。せいぜい300−400年の静穏期以後の大噴火は「史上初」になってしまうのである。

 いずれにせよ、この統計が意味していることは、休止期間が長かった後で噴火するときには大噴火になりやすいということだ。

 この300年間は噴火していない富士山はどうなのだろう。

 富士山にかぎらない。カルデラ噴火は数千年に一度だとしても、「大噴火」が21世紀には少なくとも「5〜6回は起きても不思議ではない」と考えている地球物理学者は多いのである。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。理学博士。東大理学部助手を経て、北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。『直下型地震 どう備えるか』(花伝社)など著書多数。

 

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