ほぼ具なし…麺屋武蔵“1000円ラーメン”の真意

2013.12.27


麺屋武蔵虎嘯(六本木)【拡大】

 最近印象に残った2杯(2軒)。まずは「麺屋武蔵虎嘯=こしょう」(六本木)の「かけ塩ら〜麺」1000円。ほんの少しの青ネギ以外、具はない。もしかして丼の底にアワビなんかが潜んでいるんではないか。なんといっても“1000円”だし。でも、麺とスープしかない。麺屋武蔵が作った1000円の「かけ塩ら〜麺」の答えはこうだった。

 そもそもラーメンの具は何のためにあるのか。箸休めだったり、飽きるのを防ぐ目的だったり、チャーシューからの脂がスープと混ざることによるコク増しだったり。それらをすべて必要としない一杯のラーメン。それでいて丼をカラにさせるパワー。さすがだ。

 発売から20日ほど過ぎてその食材が発表された。「ふぐ」。高すぎてラーメンではあまり使われていない食材。それをふんだんに使って出汁を取った清湯スープ。年末まで発売中なのでぜひ。ただし15時から(土日祝は11時から)10杯限定で店内告知なし。1000円の食券を購入し「かけ塩」と注文。

 次は「ソラノイロ」2号店。こちらは12月6日にオープン。今度は「塩味」と「キノコ」がテーマである。ガラッと変わったイメージではあるが、「醤油→塩」「野菜→キノコ」という変換。「塩中華そば」に関しては、動物系を使わない清湯スープ。それでいて弱くなく、爽やかなのに、うま味十分な仕上がり。

 「キノコソバ」は塩中華と同じタレを使用し、スープは豚肉をベースに野菜とマッシュルームをうまく生かしている。「ベジソバ」を食べたことのある人なら、うなずきながらニヤリと笑って食べるであろう。初めての人ならその斬新さに驚嘆しながらも洋風ラーメンに舌鼓を打つと思う。

 そして2号店には3番目の定番メニューも存在する。それが「肉ソバ」。京都の老舗「新福菜館」インスパイアで豚肉をうまく活用したラーメンだ。まったく違った3種類を用意していることになる。麺もおのおの違う。

 また新しい遊び心もある。店外の看板に「満席」「少し混雑」「空席あり」という表示が出るのだ。店に近づくと店内をのぞかなくてもそれでわかるようになっている。

 さらに多方面の活躍を見せる店主は出張も多く、「店主不在」という表示も用意している。不在だからと食べるのをやめる人はいないと思うが面白い試みだ。

 ところで会話する際に「ソラノイロ2号店」というのも何なので何かイイ言い方がないかと考えている。「ソラ2」でどうか?(笑)

 ■ラーメン耳寄り情報

 麺屋武蔵虎嘯(六本木)

 12月限定の「かけ塩ら〜麺」1000円。ラーメン好きなら食べておいた方がいい傑作。ふぐを使い、具を必要としないうま味たっぷりのスープが抜群。限定なので要注意。

 ■大崎裕史(おおさき・ひろし) 自称「日本一ラーメンを食べた男」。2013年11月現在で1万500軒、2万1500杯のラーメンを食破。株式会社ラーメンデータバンク代表取締役、日本ラーメン協会理事。Webおよび携帯の「ラーメンバンク」を運営している。

 

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